教育福島0023号(1977年(S52)08月)-014page
(県外就職希望)
希望企業がない 一〇・二%
独立した生活 九・一%
長男のため親と生活しなければならない者、長男でないが親を扶養しなければならない者を合わせると、就職希望者全体の約三分の一を占め、この現象は増加する傾向にあるので、その対応策を講じておかなければならない。
五、まとめ
以上の調査分析から、工業高校生の進路意識を次のようにまとめてみた。
適性や能力に不安や悩みをもっているが、高校三年前半までに家族の人と相談をし、求人票や会社案内書等の情報を参考にして最終的な進路を決定。就職先を決定する際、必要な情報として、更にくわしい仕事の内容を要求、会社の安定性と発展性を重視し、努力次第で昇進できる仕事、性格や能力にあった専門技術職、技能職を希望する。就職希望地を決める際の基準としては、長男のため県内就職を希望する者が多く、また、地元には工業専門科目を生かせる希望企業がないため、県外就職をしなければならない者もいる。
昭和五十二年三月
高校卒業者の進路状況
一、はじめに
全日制卒業者総数二万三千五百九十六人は、前年度に比して五百七十八人の増加である。その進路状況の特色を概観するならば、次のとおりである。
第一に、大学進学者数は前年度に比して男女ともわずかながら増加したものの、進学率においては、男女とも前年度より低下した。
第二に、就職者数は前年度に比して一千七百余人の増加となり、数年来低下の一途をたどってきた就職率が男女とも上昇に転じた。
第三に、就職生徒の県内定着率は大きく見て上昇傾向にあったが、当年度はついに男女とも過半数となった。
第四に、漸増傾向にあった各種学校進学者は、前年度同様二千三百余人で卒業生全体のほぼ一割を占めている。
二、進学状況について
( )内は昨年度
(一) 大学進学
全日制の課程二万三千五百九十六人(二万三千十八人)の二五・九%(二六・一%)に当たる六千百二十一人(六千人)が短期大学を含めて大学に進学した。
男女別に見た卒業者総数に対する大学進学者の割合、すなわち進学率は、男子二四・八%(二四・九%)、女子二七・二%(二七・三%)で両者とも昨年に比べて、〇・一%の減となった。男子と女子の進学率の差は二・四%でこの数値は昨年と同じで女子が男子をおさえている。
しかし四年制大学進学者について見れば、男子二三・〇%(二三・四%)女子一〇・三%(一〇・五%)で、今年も女子の多くが短期大学に進学したことを示している。
大学進学者を学科別に見ると、理数科及び普通科における進学率が高いのは、昨年どおりであるが、普通科が昨年より○・五%上昇したのに対し、理数科は一八・一%もダウンした。農・水科、工業科、商業科も昨年を下回っている。
(二) 各種学校進学
一昨年に比べて、昨年大幅に伸びた各種学校への進学率が、今年度は鈍化の兆候を示し、特に農、工、商、家いわゆる職業学科で昨年より低くなっているのは注目される。
(三) 次年度進学希望者
来年度再び受験しようとする生徒(いわゆる浪人)は、二千六百四十四人(二千八百五十七人)で、卒業者総数の一一・二%(一二・四%)に当たり、そのうち八三・六%(七九・七%)が男子である。女子は四百三十三人(五百七十九人)で、昨年より減少している。
(四) 地域別大学進学率
県中と相双地区において昨年を下回っている。
(五) 大学別合格者数
表4は、大学別合格者数を延べ数で示したものである。現役が百名以上合格している大学は、東北・山形・福島(教)・東北学院・駒沢・専修・大東文化・中央・東海・東洋・日本・法政・明治・日本(工)であり、東京理科・東洋・日本・法政・明治・早稲田の各大学では浪人の合格者が百名を越えている。
大体において、本県の大学進学の傾向は、東京指向型であると言えよう。
三、就職状況について
(一) 全般的な状況 (表3参照)
全日制卒業者のうち、就職者の合計は一万二千三百五十人で、卒業者全体に対する割合は五二・三%であり、前年度に比して六百三十五人、一・四%の増加となった。下降傾向をたどってきた就職率が、特に男子において上昇に転じたことは注目に値する。
男女別・学科別に見ても、商業科女子がほぼ横ばいであるほかは、普通科も含めて就職率は前年度よりアップした。特に、農業科と工業科の男子及び普通科以外のすべての学科の女子において就職率が八〇%を超えている。
就職者実数では、普通科の五千九十四人が最も多く、就職者全体の四一・二%を占めている。
定時制卒業者の場合は、本来就業在