教育福島0023号(1977年(S52)08月)-031page
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(七) 課題
〇台形の面積を求める公式をつくろう。
1)次の台形の面積を求めなさい。(方眼シートでます目を数える。)
(八) 指導過程(左図)
(九) 授業の記録
1) 図形の移動及び等積変形に気づかせる。
T 台形の面積を求めるのに方眼シートを用いず、計算で求められないだろうか。
C 計算で、できそうだ。
C 三角形の面積を求める時の学習のように台形の形を変えるとよい。
T どんな形に変えられるかな。
C 平行四辺形に変えられる。
C 三角形にも変えられる。
C 三角形二つに分けられる。
C 平行四辺形と三角形に分けられる。
2) 台形を変形させる。
3) 台形を変形させた図形から、求積の式をつくらせる。
4) 台形の求積公式の一般化と定着を図る。
四、授業の考察
効果があった点
(一) 台形の前に三角形の学習をしたことによって、図形の移動や等積変形が、多様に行われ、児童の自由な発想による、台形の求積方法が考え出された。
図3 指導過程
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図4 台形の変形
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図5 求積公式の一般化
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図6 学習の反省記録
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(二) 基本的な図形と関連づけ、やがて多角形から円の求積へと適用することが容易になり、系統づけた指導ができると考えられる。
次に、改善しなければならない点としては、
(一) 図形の変形については、予想以上に抵抗があった。その対策としては、低学年からの具体物による図形の合成分解の操作に慣れさせておくことが必要である。
(二) 図形の求積には、基本図形の性質を徹底させる必要がある。
(三) 等積変形の考え方として、量の保存性(量不変)を理解させておくべきである。
(四) 一般公式を導き出すために、式変形に慣れさせる必要がある。
五、終わりに
平面図形の求積は、三角形を基にして求積するということで、多角形へ発展するためにも、三角形の求積を先にやり、台形に入った方が効果的である。
また、平面図形の求積は、図形の移動と等積変形等を取り入れることにより、より多角的な見方、考え方が身につき、自分の考えが授業に取り入れられ、児童たちは、興味深く学習に取り組むことができた。
それに、自力解決することにより、公式をつくり出すことができ、学習に対する意欲が高まり、児童相互に多様な考え方を出し合い、思考を深め合う学習ができた。
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