教育福島0023号(1977年(S52)08月)-032page
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わが町の社会教育
母と子の公民館活動
国見町教育委員会
一、はじめに
本町が、在学青少年に対する社会教育活動の一つとして、読書活動を始めたのは昭和四十七年からである。
この年、県立図書館から親子読書活動モデル地区に指定され、最初は家庭文庫の形式をとり、町の中央にある内池宅に文庫を開設した。翌年にはPTA活動形式として、森江野小学校に文庫を設置した。これらの文庫は、大きな成果をあげて活動を続けている。
更に昭和五十一年度から国庫補助を受け、母と子の公民館活動を実施するにいたった。今回は、母と子の公民館活動について述べてみたい。
二、活動のねらい
この活動は、子供の情操を豊かにし心身の健全な成長を図り、母と子の連帯を強めるため、読書活動とグループ活動を促進する事業を行うものである。
三、活動方針
この活動を実施するに当たり、次の方針をたてた。
(1) 対象者は、小学校三年以下の全児童と幼稚園児並びにその母とする。
(2) グループは、全小学校(町立一、組合立一)区内に、一グループずつ編制する。
(3) 活動の場所は、下校途中活動に参加できるようにし、学校の近くにある集会所や寺院を利用する。
(4) 活動内容は、図書の貸し出しのほかグループ活動として、図書に関した紙しばい、スライド、指人形劇、その他の創作活動を二十時間以上行う。
(5) 指導は、指導員を中心として、公民館職員、補佐メンバーが、各グループを月二回巡回して行う。
(6) 藤田小学校区は、石母田地区を除き、家庭文庫による活動とする。
(7) 学校と家庭との連携を密にする。
四、活動までの準備
司書の資格を有する指導員一名と、将来、地区の読書活動のリーダーとして養成する意味も含めて、比較的若い母親から、補佐メンバー五名を委嘱し次の準備に取りかかったのは六月であった。
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母と子の読書活動
(1) 図書の選定については、県立図書館の指導を受けるとともに、数多くの資料・リストを収集し、それを比較検討して、シリーズものを重点的にしかも整理し易く、欠本がすぐわかるように、バックナンバーをそろえて発注した。
(2) 図書は、複数のグループで貸し出しできるように、同一図書を二冊ずつ購入し、それを二組に分け、ラベルで色別した。したがって分類はしないが、将来のために基本カードを一枚ずつ作成した。
(3) 貸し出しはブックカードを用いるが記録や統計をとるため、貸し出し簿を別に作成した。
(4) 図書の整理に当たっては、補佐メンバーが早く本になじむよう、随時手伝いを依頼した。
(5) 紙しばい、スライド等の教具、教材は、手持ちのものを使用しながら計画的に購入することとした。また指人形は、母親の参加を求め、手作りにすることとした。
(6) PRについては、幼稚園、小学校をとおして対象者全員にチラシを配布するとともに、授業参観日、PTA集会等において参加を勧奨した。
五、活動状況
活動を開始したのは九月からである。
計画と準備に時間をかけたので、スタートは好調であった。
(1) 園児、児童の参加者数(表1)は対象者の七一%であった。大枝グループは組合立小学校であるため、本町から通学する児童だけを対象とし
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