教育福島0023号(1977年(S52)08月)-040page

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図書館コーナー

 

簡単な図書の整理の仕方 (2)

 

四、この本はどこに分類するか

 

一応NDCを二けたまでにして、それぞれのところにはどんな種類の本が分類されるかを述べてみます。

 

○○ 総記 前号で述べましたように一冊の本の中に一の哲学から九の文学までの全部のことが、その中の半分程度について書いてあるものです。図書館のこと、読書のこと、百科事典(哲学〜文学などのことがらを書いている)、いろいろの問題についての論文集、時事問題・科学・産業・文芸ものを取り扱っている総合雑誌、朝日年鑑などの年鑑類、新聞学、その他いろいろのことが書いてある一個人の全集、多数の人の著作を集めた叢書(双書)など。注意すべきは、書名の中に事典・辞典・雑誌・年鑑・全集・双書とあっても、ここに分類されない本があるということです。科学の事典なら四〇に、漢字の辞典なら八〇に、農業年鑑は六一に世界文学全集は九〇に、日本文学全集は九一にとなることです。

 

一〇 哲学 哲学というとむづかしくなりますが、「私の人生観」、「夢」、「人生訓」といったもの、宗教問題、仏教、キリスト教などがここになります。宗教については、あまり専門的にかたよったものは集めない方がよいと思います。

 

二〇 歴史〜二九 地誌 世界全般にわたる文化史や世界史、日本だけの歴史は二一、日本以外の国の歴史は二二から二八まで国による番号を与えます。日本及び外国の地理、地図、旅行案内旅行記は全部二九となります。

 

三〇 社会科学 三一政治、三二法律三三経済、三四財政、三五統計、三六社会学、三七教育、三八風俗習慣・民俗学、三九国防・軍事となります。統計は国勢調査等いろいろのことについてのもので、読書調査は〇〇、農業統計は六一となります。社会には社会問題、労働問題、婦人問題等、教育には学校教育、社会教育、家庭教育を含みますが、育児法は五九となります。民俗は年中行事やお祭りのこと、衣食住の習慣、各地方の民俗等が含まれます。

 

四〇 自然科学 四一数学、四二物理学、四三化学、四五地学、四六生物学 四七植物学、四八動物学、四九医学となります。植物でも作物栽培、園芸関係は六一、六二となり、動物でも家畜家禽は六四に、要するに実用的でない植物、動物は四六となります。

 

五〇 工学・工業〜五九 家事 すべての工学・工業をここにいれるが、あまり公民館等ではないと思われます。五九が家事というのもおかしいと思われるかも知れませんが、ここしか空いていなかったのだろうと思われます。衣服裁縫、食物、料理、家庭衛生、育児などがここにはいります。

 

六〇 産業 六一農業、六二園芸、六三蚕糸業、六四畜産業、六五林業、六六水産業の第一次産業ですが、六三、六五、六六はあまりないと思いますし六七商業、六八交通、六九通信も一つにしてもよいと考えられます。

 

七〇 芸術 七一彫刻、七二絵画、七三版画、七四写真術・印刷、七五工芸 七六音楽、七七演劇・映画、七八体育 七九諸芸、娯楽と本の中味としては、豊かな人間性を養うためのものと考えればよく、その利用はTV等とも結びつけると効果があります。

 

八〇 語学 八一日本語、八三中国語 八三英語、八四ドイツ語 八八ロシア語、八九その他の諸国語となりますが外国語は少ないでしょう。注意することは、「作文(集)、手紙の書き方、演説のしかた、会議の開き方」などもここに分類されることです。

 

九〇 文学 本も最も多く、いちばん利用されるところです。そこで九一日本文学を更に三けたに分けてみます。

九一一詩歌 和歌、俳句、現代詩も、

九一二戯曲 日本の戯曲

九一三小説 源氏物語も現代小説も、

九一四随筆 日本文学者の書いたもの

九一五日記・記行 文学者の書いた 

九一六ルポルタージュ

九一七風刺 驚句集のようなものだけユーモア小説は九一三

九一八作品集 小説も詩も日記文も一冊におさめてあるような全集(夏目漱石全集など)

九一九日本漢詩人 日本人の書いた漢文の文集、漢詩の詩集外国文学は全部まとめてもよいと思います。以上がNDCの使い方の大綱です。

 

 

 


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