教育福島0024号(1977年(S52)09月)-009page
力することがたいせつである。
(二) よいねらいは、その裏づけとなるようなよい実践やよい記録、資料を活用することで達成される。
このことは、一単位時間の学習指導案をたてるのにも、限られた時間内で最も効果的な指導をするためにも役立つものである。
二、生徒の実態や運動の特性に応じた教材づくりをすること
(一) 生徒の実態を正しくは握するために、小学校の体育について正しい理解をもつことがたいせつである。
(二) 単元にも、一単位時間にも、運動の特性や生徒の実態からの内容や活動を位置づけて、生徒にじゅうぶん運動のだいご味を味わわせること。
三、意欲が高まるよう、よい活動をくふうすること
(一) 指導しようとする内容を生徒に応じて、どのように構成し、とびつかせるかをくふうすること。
(二) 活動していても、見ていてもよくわかるような活動をさせることがたいせつであること。
(三) 安心して取り組める活動のさせ方をくふうすること。
例えば、陸上競技の短距離走や長距離走の指導で、いつでもいっせいにスタートさせる活動だけでは走力の劣る生徒は安心して、夢中で取り組めない。スタートをずらせハンデイキャップを考え、決勝で並ばせるなど、能力の劣る生徒には安心感を能力の高い生徒には緊張をといった配慮がたいせつであろう。
四、ちょう戦やばん回の機会を与えること
生徒がもっとやる気を起こしたところで単元が終わってはいないか、また、やる気やがんばる気が起きない記録のとり方やゲームのさせ方がないかを考えてみる必要がある。
単元のまとめで生徒が「がんばって練習した」、「思い切ってやった」「ばん回するため協力してよかった」というような、満足した、さわやかな気持ちをもって、次の単元へ進めるように、重点化した内容、活動を選んで単元構成をすることが必要である。
五、生徒の能力に応じ、心をこめてほめたり、小さな伸びでも認めることを心がけること。また、これらの場面の設定に努めること
六、グループでの活動の質を意図的に高めるように手だてを講ずること
グループで活動させることが直ちに生徒の意欲を高めて、効果的に学習が展開されるというのではない。個別・いっせい指導にはかえられないグループでの活動とするため、その活動のさせ方を徐々に高めて行く手だてを指導者がはっきりと持つことがたいせつである。
七、授業のまとめは短時間でしっかりすること
このことは、ねらいに対してできたこと、できなかったことを確認し次時への課題をはっきりさせ、しめくくることになる。
以上、小・中学校(小学校では教師の心構えを含めて)での授業を展開するための努力事項について述べたが、これまでの指導法や授業の展開等の再検討の資料として、昭和五十一年度の九月号の「毎時の授業をより充実するため」と併せて活用し、体力と運動技能の向上に努めてほしいものである。
家 庭
技術・家庭
小 学 枝
昭和五十二年度小学校家庭科の指導の重点は次の三項目である。
一、「家庭」の領域を基盤として「被服」「食物」「すまい」の各領域が総合的に学習できるように計画を改善する。
二、実践的態度を育成するための指導についてくふうする。
三、施設・設備を計画的に整備し、その活用を図る。
重点事項の一については、本誌五十一年九月号に指導計画に関する三つの小項目について、それぞれ具体的に述べ、くふう改善の参考に供したが、今回は、重点事項の二について取りあげることにした。
二の指導法のくふうについては、三つの小項目を努力事項としてあげているが、そのうちの(一)・(二)について、具体事例を示し、毎時の授業充実のための参考に供したい。
一、実践的・体験的学習を行う教科としての性格をふまえ、児童が主体的に学習に取り組めるよう指導法を改善する
実践的態度を養うための手だてとしては、学習に喜びを感じさせる授業のくふうがたいせつである。
その方途として主体的・創造的な実践意欲を育てる指導過程について五年の調理教材の「野菜サラダ」を例に表1にまとめた。表2はその展開例である。
子供自身に問題意識をもたせ、実証的に課題を追求させることによって課題解決の喜びを感じさせ、実践的態度を育てていくものをねらいとしたもの