教育福島0024号(1977年(S52)09月)-011page
で、各領域の指導計画を立案する場合、どの指導場面でどんな組織にしたら効果的な指導ができるかを、あらかじめじゅうぶん検討しておく必要がある。
グループは固定せず、指導場面によって編成替えを行い、係りをきめて活動させるのがよい。
三、管理に関する指導
技術・家庭科の指導では、学習に要する用具や材料の管理のいかんが直接的に学習成果を左右する。そのため、教師がそれらの管理に当たるとともに、生徒に対しても用具や材料の管理をする能力を養う必要がある。
(一) 用具の手入れと保管
用具類は常に最良の状態で整備し必要に応じて有効に活用できるようにしなくてはならない。
管理方式には、
1) 用具の格納の仕方によって開架式と、格納式がある。
2) 整理場所によって、集中管理方式と、分散管理方式とがある。
いずれの方式でも、使用前後の用具の損傷の有無、数量の確認、整理の方法、使用手続きなど、管理に必要な事項を指導し、実践させる。実習に使用した、電熱器具、調理用熱源などは、冷えた状態を確認してから格納させる。
刃物類は、取り扱い方や保管の仕方の良否が安全作業と、密接に関連をもつので、保管には、さびとともに刃が露出させないようにさせる。特に調理用具は、安全、衛生的な取り扱いに留意する。
測定器具類は、精度が生命であるので、定期的な点検をする必要や、湿気、振動、衝撃、熱などの影響から避けることの必要を指導する。
機械類は、常に最良の状態に保ちその性能をじゅうぶん発揮できるように、安全管理をしておく必要がある。
四、安全の保持
機械類、刃物類、引火性液体、電気、ガス、火気などを取り扱って実習する技術・家庭科では、安全の保持にじゅうぶん留意して学習指導を行う必要があるので、次に安全保持の項目をあげておく。
(一) 服 装
服装は、能率的に安全な行動ができるように整えさせる。
(二) 学習環境の整備
機械などの周囲には安全域を設ける。
機械の使用、点検のカードを作成し活用を図る。
火気使用場所には、消火器を設備するなどして、安全を中心にした学習環境を構成する。
(三) 安全規則
各学校の実情に即した実習室の使用規定や、機械の使用に関する安全規則を定めて、指導の徹底を図り、事故防止対策を具体的に指導する。
外国語(英語)
学習指導の進め方というものには、唯一無二の方法はないといってよかろう。生徒の実態に応じ、教材の種類に応じ、教師の考えに応じ、環境の差違に応じてさまざまな変化があって当然である。ただ、生徒が教材をなめらかに習得して自由に使いこなせる素地をつくり、一人一人の生徒が楽しく英語を学べるようにするためには、どういう順序をたどればよいかという大筋の点では、おおかたの一致をみることは可能と思われるので、この立場から次の三つの柱を立て、それぞれ努力すべき観点を掲げた。
一、精選した教材の配列に留意する
年間指導計画改善のため、使用教科書について、綿密に検討し、それぞれの地域や学校の実態及び生徒の特性に即応して適切な教材の順序を考慮し、補充削除等を行うことが必要である。その際、次の点に留意しながら進めることが肝要である。
(一) 現行の教科書のほとんどは、各課のセクションごとにTarget Sentenceを明示し主要目標の明確化を図っている。しかし、それがその後どの学年段階のどの課で、どの程度反復深化されるのか、また、それらがどのような系列に属し、どのように発展していくのかという全体的発展系列は、必ずしも明確にされていないので、まずこれを確実には握することが必要である。
(二) 前述の方法で明確になった教材について、学習指導要領をじゅうぶん参考にしながら、地域の実態、生徒の能力、適性進路等に応じて「理解にとどめるもの」と「表現できるところまで指導するもの」を選定する。
例えば、文型については「五文型」を中心として扱うべき文が、それぞれ学年配当がなされて一応の段階づけがあるが、それぞれの文型を取り扱う際には、一年から三年までその文型の全体的発展を見とおした上で、その文型の中心となるものに重点を置き、生徒の実態に即してそれぞれに軽重をつけて扱うことがたいせつである。例として、「S+V+0+0」の文型では、生徒の実態によっては、
He told us an interesting story. (二年)
I will tell you what to do. (三年)
He told me how to swim. (三年)
の程度までは、じゅうぶん書けるまで徹底した指導とするが、
I will tell you where to take lunch. (三年)