教育福島0024号(1977年(S52)09月)-014page
二、クラブ活動の運営に当たっては、実施計画に基づいて進められるよう適切な助言をするとともに、現有施設・設備の活用と充実に努める
クラブ活動は同好の児童生徒が共通の興味・関心を追求する活動であるから、児童生徒が計画を作り、自主的に活動するのを奨励し、援助することが基本的なあり方である。
クラブ活動を充実させるためには当然、施設・設備の整備が問題となるところである。年次計画を立てながら改善充実に努める必要がある。なお、現有施設・設備を有効に使用するため次の点に留意したいものである。
1) 現有施設・設備を全教員によって総点検し、クラブ活動に使用可能にするための計画を立てる。
2) 設置クラブごとの現有施設・設備の使用区分を明確にする。
3) 教師並びに児童生徒の創意と協力によって、整備作業を進める。
三、児童生徒が自発的・積極的に学校行事に参加できるよう運営をくふうする
学校行事の成果をあげるためには、児童生徒の自発的・積極的な参加が望まれる。そのため、次の点に留意する必要がある。
1) 各行事の学年ごとのねらいを明確にする。
2) 事前・事後の指導を充実する。
3) 運営面に児童生徒の創意を生かす。
四、学級指導を学級経営と関連させながら個別指導を行うようにくふうし一人一人の児童生徒の健全な発達を助長する
学級指導は、一人一人の児童生徒がいろいろな発達上や生活上の課題に取り組み、解決することを援助する過程であり、社会的な自己実現をもたらすための計画的な援助である。
したがって、これらのねらいを達成するためには、学級指導の時間だけでは不可能であり、学級経営においてもじゅうぶん考慮されなければならないことである。特に学級指導の時間においては、学級集団を対象とした形態をとるので指導の徹底を図るためには個別指導へと発展することが望まれる。
なお、学級指導を充実させるため、次の点に努力したいものである。
1) 指導に当たる教師の基本的な姿勢を確立する。
特に学級経営との一貫性を図る。
2) 平素から児童生徒の実態は握に努める。
3) 具体的な問題を取り上げる。
4) 個別指導との関連を図る。
特に教育相談の対象となる内容は学級指導と合致し、具体的な悩みや不安である。
幼稚園
幼稚園教育
幼稚園における教育は、単に物事を教えたり、経験させたりすることではなく、むしろたいせつなのは関心をもたせたり、気づかせたり、創造させたりする活動をとおして、幼児のもっているものを引き出すことである。
したがって、指導に当たっては、
○ 幼児の興味、関心のある経験や活動を取り入れながら、指導のねらいにせまること。
○ 幼児が喜んでせいいっぱい活動できる環境を構成すること。
が必要である。
そこで、本県においては、幼稚園教育の指導を高めるため本年度は、「適正な教育課程の編成」「安全教育の徹底」「教育環境の整備」「幼・小・家庭との一貫教育」を重点事項として取りあげた。
ここでは「幼児の心身の発達の程度や幼稚園の実情などを的確には握し、適正な教育課程を編成するための具体的施策について考えてみることにする。
一、幼児の発達の実態をとらえる
望ましい経験や活動を選択して適切な指導をするためには、幼児の心身の発達の実態・遊びや生活の実態・興味関心や欲求などをじゅうぶんに理解しておかなければならない。
しかし、個々の幼児は異なった発達の過程をたどりながら成長するので、個人差が著しく、また幼児の心身の機能は未成熟・未発達であるため発達の実状がとらえにくい。
そこで、たえず観察を重ね、一人一人の発達の実態をとらえなければならない。発達のとらえ方としては次のようなことが考えられる。
〇 一般的な幼児の心身の発達のようすを知る。
○ その一般的な発達傾向をもとにし日常の観察をとおして得た行動を考察する。
○ 月に一回ぐらいは意図的に観察場面を設定して、幼児の活動を細かくとらえ分析する。
これらの記録を分析し、個々の発達様子と全体的な発達の様相をとらえていく。
二、ねらいを具体化し、望ましい経験や活動を選択する
教育要領では、内容として六領域に分けて示している。しかし、この六領域に示す事項は、幼稚園修了までに幼