教育福島0024号(1977年(S52)09月)-019page
は、どのような教材を、どのように展開すべきかが課題となる。
同時展開における問題点として
(一) 女子生徒がせいいっぱい取り組むのに反して、男子が消極的傾向になることがある。特にスポーツ的種目に著しい傾向がみられる。
(二) 体操など個人的種目のいっせい指導は生徒の意欲が低下してしまう。
(三) 女子の特性を軽視した授業展開になりやすい。
このような点を配慮し、体操に「なわとび」を取り入れてみた。
三、実 践
(一) 「なわとび」のねらい
本来「なわとび」は平易さの中に、調整力・瞬発力・持久力等を養い、さらにきわめて生活化されやすいという特性を有している。
これを教材として取り入れることにより、生徒に興味と運動への参加が期待されることと、次のような指導効果が達成される。
・ 生徒の能力・体力差に応じた指導ができる。
・ 学習意欲の高揚が図られる。
・ 季節及び施設の条件にあまり左右されない。
(二) 指導の取り組み
・ 男女差及び個人的な能力差に応じた指導上の到達目標を設定する。
・ 易から難への到達目標別のグループを編成し段階指導をする。
・ 応用創作による発表会を開く。
(三) 単元計画(上表)
単元計画 (総時間数8時間)
四、まとめ
このような学習指導の結果、ともすると男女同時展開時に生じやすい、能力差・体力差による学習効果の差や、意欲の低下などは解消された。
今後更に指導面に創意くふうを図り生徒の体力の増強を促進するとともに生徒の生がいにわたる体育の生活化に関連する技能の定着に努力したい。
保健学習における教育機器の活用
福島女子高校 安孫子清七
現任校における視聴覚関係の教育機器は比較的恵まれていると思っている。しかし、実際利用の段になると、種々の問題がある。第一に利用方法の勉強不足があげられる。機会あるごとに、機器利用についての講習を受けたり、利用方法について研究をしてみることが必要である。第二に準備にある程度の時間をかける必要がある。具体的には教材作りに「まめ」でなければならないことと、機材の準備に時間が必要なことである。