教育福島0024号(1977年(S52)09月)-021page
次は心身症について説明する。ストレスが強かったり、長びいたりすると頭痛・動悸・食欲不振・嘔(おう)吐などの機能障害がおこり、さらにすすむと、胃潰瘍(かいよう)などになる。このことは「セリエ」の「ストレス学説」であることを理解させる。
4) 「身体が精神におよぼす影響」では自動車を運転している人が眠くなったとき、身体を動かしたりするとか、早朝の散歩、ランニング等でストレスの解消を図るなどを絵にして示す。また病気になったときや生理のときの気分等を生徒に発表させて理解を深めさせる。
5) 「まとめ」として心と身体は一体であることを示し、心身相関を理解させる。
以上が授業計画の一例を示したものであるが、保健学習の上で理解しやすく、興味を持たせながら積極的な学習ができるようくふうすることは、私達教師の責任であると考える。つい先日生徒のノートに目をとおしてみたら、新聞等の切り抜きが沢山はってあった。私たちの周囲には、集めようと思えば保健学習に役立つ材料はいくらでもある。生徒とともに行う積極的な学習が実ったのではのではないかと、少々の満足感をおぼえた。これからも週一時間の大事な保健授業を有意義にしていきたいものである。
商 業
OHPを使用した簿記会計3)の学習
郡山商業高校 二瓶哲
はじめに
簿記会計3)(以下簿3)と称す)は、簿記学習の総まとめであり、卒業後の生徒の簿記能力を問われる科目である。
いかにしたら難解といわれる簿3)の学習を容易にし、落後者も少なく、かつ楽しい学習指導が展開できるかと、思案をした末に取り組んだものが、OHP使用の授業であった。それは学習効果の上がることを願って始めた、手探りの研究である。
そこで、最初に苦心したことは、OHPで何をどのように表現し、それをどう活用するかである。黒板と教科書の関係、生徒の作業や発問等々、OHPという機器一つが入ったために、従来の授業展開では考えてなかった配慮が必要となった。
このことは、意外と厄介で準備に時間がかかった。それだけにむしろ、いろいろな学習展開が考えられて、興味深いものとなり、限りないOHPの魅力がそこにあることを学んだ。
〈指導事例〉
-棚卸資産の期末評価-三時間のうち一時限
導入 簿記会計2)で学習したことの復習。
一、TPの図1-1によって決算整理事項の一つとして商品の期末棚卸高があったことの確認
図の資料から仕訳と勘定記入をノートに示す、机間巡視後にTPの図1-2を図1-1に重ね合せて、生徒の答えと一致しているかどうか確認する。
TP図1-1
TP図1-2
二、商品棚卸高について更に詳しく学ぶ
a、以前に学んだ継続記録法の各種の計算方法で、数量×単価の結果がこの数字であることを、TPの図1-1に書き込む(傍線部分)。 図では既に書き込んである。
b、この金額が棚卸資産の期末評価といわれ、原則として取得原価で記入して来たこと、それはまた、売上原価算定の前提条件でもあったことの確認展開、評価の方法には原価基準以外にもあることを学ぶ。
(一) 教科書を読んだ後に、その要旨をTPの図2-1にまとめて写し、TPの図2-2を重ね合せて確認する。
この時B面(3以下)は伏せて、部分映写する。 本時のねらいに集中
a、評価損の処理について教科書例題に戻って説明する。 黒板使用
b、売上原価の内訳科目とする時の損益計算書上の表示形式にふれる。
TPの図3-1によって、仕訳と勘定記入面との三者の関係について学ぶ
C、類題を示してノートに書く。
説明は、「a」で板書した行間を活用して、生徒に答えさせてから行う。
(二) 0HP使用の際に留意していること。
a、板書のように映像の前に立って説明しない。
b、細かいことであるが、説明の「指し棒」を動かし過ぎない。
C、ノートすべきものは、時間的配