教育福島0024号(1977年(S52)09月)-022page
慮をする。
a、マンネリ化して、気勢がそがれないよう絶えずくふうする。
結末
(一) 再びTPの図2-1と2を使用して、棚卸資産の期末評価、特に評価損の処理をどれだけ理解できたか、また、勘定記入面や表示形式についても関連して理解できたか確認する。
(二) 次に、展開時にはA面しか写さなかったTPの図2-1と2のB面も写して、次時の予告をする。
TP図2-1
TP図2-2
TP図3-1
おわりに
最初にOHPを教室に運んだ時、生徒の間からざわめきが起きた。今までの簿記の学習では使用したことが無かったので、その意外さ故であろう。
実際にTPが映るに及んでは、いつにも増して生き生きとして、映像を凝視している姿がそこにあった。この真剣な反応を頼りに、簿3)の学習にはOHPを使用することは当たり前であるように、これからも研究を重ねたい。
また、TPシートに生徒自身が記入する「参加方式」を取り入れるなどのくふうを重ねて、教師と生徒を近づけ心の触れ合いを図る媒体となるような学習に努めていきたい。
支店会計における基礎的事項を理解させるための指導事例
若松商業高校 赤城哲也
一、はじめに
最近、授業に興味を示さない生徒に対する基礎的な指導ということが強調されるようになってきた。本校においても、上位生徒と中位生徒以上に下位生徒が多く、指導に苦労を感じているところである。
以下に、一学期に指導した支店会計単元での一時間の授業時間における、理解の段階的指導過程、教材構造、基礎的指導事項を中心とした指導過程等を記したので、先生方の御指導をいただければ幸いである。
支店会計の単元では、支店会計の独立、本支店間の取り引き、支店相互間の取り引き、合併貸借対照表と合併摸益計算書内部利益の控除について指導することになっている。
支店会計の単元は、簿記1)で学習した既習事項の体系外にあり、簿記正の中でももっとも難しい部分といえる。
二、学習の理解を妨げる原因
簿記科目の指導の場合、一つの単元にはいり進行するに従って、内容が難しい、わからないと生徒が感じるようになる原因には、以前に学習した内容を忘れてしまい、新しい学習場面において既習事項のうえに累積することができなくなることがあげられる。同時に、授業においては次のような原因もあげられるのではないだろうか。
(一) 毎時間の授業に出てくる新しい勘定科目や用語の意味を、生徒が日常的な平易なことばで理解していない。
(二) 仕訳の際に必要な、商業一般、商法などを根拠とする取り引きのしくみを理解していない。
(三) 公式的な仕訳の型をきちんとおぼえていない。
以上のような原因から、教材を提示する教師の立場として、授業にはいる前に教材を構造化し、教材の本質的な面と派生的な面を見分けるため、各項目の関連を調べてみた。次に、授業においては、学習内容を段階的に確認しながら理解させるようにするために、次に示すような順序で指導している。
〈指導事例そのー〉
「本支店の取り引き」(二時間)