教育福島0024号(1977年(S52)09月)-032page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

わが町の社会教育

 

成人・高齢者教育の振興

 

三春町教育委員会

 

一、高齢者学級の趣旨

昭和維新と称せられた苦難と変遷の世代を乗り越えて、近代文化国家を築きあげてきた高齢者のかたがたにこれからの余生を明るく、豊かに、生きがいのある生活をしていただくための、社会保障制度の確立と社会福祉の向上が図られつつあることはまことに喜ばしいことである。高齢者学級も年々学習課題がよりふさわしく飛躍的に充実し、老人福祉行政と並行し老人自らの生がいに生きがいを感じさせる具体的な学習を推進する。

 

二、高齢者学級のねらい

学級のねらいは、急激に変化し多様化する現代社会で、高齢者が「なが生きすること」「楽しく美しく生きるため」、高齢者としてのぞましい生活を高めるための理解と社会への積極的な参加の関心を高める。

急激に変化する社会環境や、いろいろの条件と対応しながら高齢者の主体性を高め、自分で考え、自分で行動できる高齢者の育成を図る。そして実践力と協調性を深め共同学習、集団思考を重ねて、能力や健康に自信を深め自己を確立する。

(1)高齢者が時代の変化に適応するために必要な学習に努め、頭を働かせ先を見とおすことのできる洞察力を養うとともに、スピードのある生活にたえる訓練をする。新しい社会の組織を理解し生活し得る能力を養う。(2)常識ある社会人として若い世代を理解し、対等に話し合いができるようなムードをもつ高齢者であるように努める。(3)地域社会における子供会の指導に積極的に進出したり、孫の教育に一役をもつ高齢者であること。さらに地域社会よりよろこばれる各種の社会奉仕活動を展開する。

 

高齢者学級園芸部の花だんの手入れ

 

高齢者学級園芸部の花だんの手入れ

 

家庭教育学級の奉仕作業

 

家庭教育学級の奉仕作業

 

三、学級の編成

学級の編成に当たっては、自主学習を進めるうえでの学級構成の適正規模を定め、一般公募を行うことが最も適切なことではあるが、必ずしもそれにより難いものもある。特に高齢者学級にあっては、地区高齢者学級と中央高齢者学級「明徳大学」の二制度の学級を開設していることから老人クラブの会員数をもって定数を比例案分し一定の基準を満たす者をして会長推せん者とし推せんのあった者を許可することとしている。この点他の町村の高齢者学級に比し特異なところである。ただしその他の各種学級については一般公募としている。

 

四、学級運営

高齢者学級は高齢者自らが自主的・自発的に運営できるものでなければならない。いわゆる学級生の主体性を高め、自分で考え、自分で行動のできる学級生の育成を図る。そして実践力と協調性を深め、共同学習、集団思考を重ねて自己を確立するために学級委員会を組織し、学級生の意見や希望を集約し、調査し、学習内容や学習方法を検討し、あるいは教具教材、会場の調達準備と、講師・助言者及び関係機関との連絡調整等を行う大事な組織である。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。