教育福島0024号(1977年(S52)09月)-034page
わが市の社会教育
望ましい高齢者をめざして
いわき市教育委員会
はじめに
いわき市の高齢者(六十歳以上)は四万二千二百五十七人(昭和五十二年四月一日現在)を数え、全人口の約一三%にあたり、年々わずかづつではあるが増加している。
高齢者教育の推進に当たっては、新しい時代に生きる高齢者として、その適応能力を高め、社会参加をすることによって生きがいをもち、老後生活を豊かなものにしていくことが重要と考えられる。
そのためには、学習の機会や社会参加の場の提供などを図ることが課題であろうと思う。
このような観点に立って、いわき市の高齢者教育の実体を紹介してみたい。
講義学習風景
植樹の奉仕作業
一、高齢者教育の基本方針
1、高齢者学級(教室)を開設し、学習機会の拡大を図るとともに、学習内容及び方法を改善し、学習活動の充実を期する。
2、高齢者の学習集団の親密感を深めるため、研究集会を開催する。
3、余暇の社会的活用を促進するために、ボランテイア活動家の育成を図る。
4、地域環境を整えるための、高齢者の奉仕活動を側面から援助し、その活動をとおして社会参加と市民性の向上を図る。
5、老人クラブの組織の充実と健全な活動を育成するため、関係機関と緊密な連携を図る。
二、高齢者の学習活動
高齢者学級(教室)は、高齢者が現代を生きる知識と技術を学習し、その適応能力を身につけることを主眼とし、さらに継続的な学習の中で緊密な人間関係を持ち、高齢者特有の孤独感から解放されることをねらいとして開設している。その結果、健康問題を中心として、精神的老化の防止を図ることや伝統文化の維持伝承に努めるほか、自らの身体・手足を使って民芸品・文集その他の製作活動に取り組んでいる学級が増えてきている。
五十年度〜五十二年度における、高齢者学級(教室)生は次表のとおりである。
年度 高齢者学級 高齢者教室 開設数 参加者数 開設数 参加者数 50 40 2,113名 4 242名 51 40 2,262名 3 216名 52 40 2,327名 6 457名
学級の運営を具体的に述べてみると、
1、学習内容は、
(1) 健康と安全に関するもの
(2) 家庭生活と人生に関するもの
(3) 社会の変化や若い世代の理解を図るもの
(4) 趣味や関心の充実と生きがいを感じさせるもの