教育福島0025号(1977年(S52)10月)-037page
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四、白河市における婦人教育の問題点
(一)学習形態上の問題点と対策
結婚間もない若い婦人から、高齢者になる境目の婦人まで、同じ学習形態では、学習者自身にしてもマンネリ化する恐れがじゅうぶんに考えられる。講義−−質問−−話し合い−−閉会この形態の繰り返し等、考えなければならない。学習したことを基盤にした実践活動型から、グループ型活動形態へ移行すべきである。
(二)年間学習指導計画の編成
学級生の意識の違いは、年齢層の違いとともに変化する。そのための指導計画に偏りのないくふうが必要である。学習に対する必要課題も重要であるが要求課題を大きく取り入れ、その展開の中でくふうしたい。次に季節に合った課題を考慮すること。課題に関連した視聴覚教材を多く準備することなど変化をもった計画を立案することがたいせつである。
(三)婦人教育と一般成人男子との教育が偏ってしまうこと。
男子成人の参加しにくい条件を排除するくふうが必要である。
○職業による時間的制約
○趣味、スポーツ、グループ学習等の制約
男子も学習する意志がないわけではない。調査によれば、日常生活上、学習したいという人、実に九〇%もいるわけであり、対象をしぼって学習を展開する必要がある。
(四)白河市民として、成人の学習に対する要望事項、意識調査
男子
1職業についての知識技能の習得
2政治、社会的知識の向上
婦人
1家庭生活に必要な知識技能
2自己の教養を高めるもの
3子供の教育に関するもの
(白河市における余暇時間の活用に関する生活意識調査)
(昭和四九、九より)
右調査書のとおり、男子にくらべて婦人の職業についての知識技能の習得についての要望は実に低い現状がはっきりとしている。
五、白河市婦人教育の今後に期待するものとして
(一)社会教育の婦人指導員の充実について
市民の多様な社会教育の要請にこたえるため、直接指導、あるいは市民の学習を援助するための非常勤職員の充実を図ることが急務である。
(二)中央公民館における市民教室の内容の充実を図る。
○ペン習字講座
○俳句講座
○茶道講座
○工芸講座
(三)新しく、学習の機会を提供する
○若妻学級(補助対象)
○中堅婦人学級(補助対象)
○ボランティア学級(自主運営)
○地区別婦人講座
(地区公民館を利用する)
○未組織婦人団体結成促進
これらの条件整備あるいは事業整備の必要にせまられ、すでに着手しているものもあるが、抜本的な施策となっていない面のあることは否めない。いずれにしても、社会教育としてとらえた婦人教育は、他の領域のそれよりも期待されていることである。成人教育青少年教育の振興と相まって、白河市婦人教育がますます進展すべく、今後に期待するものが多い。
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郷土の歴史を学習する風景
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婦人学級における話し合い風景
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