教育福島0025号(1977年(S52)10月)-038page

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福島県教育センターから

 

(研修レポート)

 

家庭、技術・家庭講座

 

一、講座のようす

 

昭和五十二年度研修事業一覧表で御案内したように、本講座は、小学校、高等学校家庭(食物、被服コース別)講座と中学校技術・家庭(男女別)講座からなりたっています。

家庭講座は、二回に分けて実施していますが、その内容は、小学校においては、衣食住の基本に関するものの実験実習が中心であります。高等学校の食物コースは、食品添加物、日常食品の調理と消化に関する実験、食物摂取と化学変異原、食物と老化など。被服コースは、被服材料の性能、縫製に関する実験、洗浄力試験、着衣の基体に関する研究とスタイル画のかき方などとなっております。

本年度から、家庭科の専門領域のほか、特別活動や生徒指導に関するものが組み入れられております。

 

中学校技術・家庭講座は、A、Bの二班に分かれ、前後期の二回、延べ八日間にわたって行われています。本教科は、男女向きとも、指導内容が六領域の広範囲にわたっており、その技術的水準も高いので、長期間の研修が必要になってきます。

講座内容については、研修生の受講感想文の中に、述べてありますのでそこに譲ります。

さらに、各講座とも定員は十二名であります。各種実験、計測、整備、製作の実習が中心になりますので、人数が少なくなっています。小人数のよさは、研修の充実はもちろんですが、研修生相互の理解や協力関係が醸成され和やかな研修風景がみられるという特徴をもっています。

 

二、受講の感想

 

中村第二小学校

鈴木イチ子

六月二十八日から四日間、研修の機会を得ることができました。期間中は実験実習の連続で、全員が時のたつのも忘れて取り組みました。

被服材料の性能実験に始まり、食物、住居の領域まで、終始笑顔の講師先生に、わかり易く導いていただきました。特に、洗たくや生野菜の放水、パンの吸水などは、わかっていましたが、実験結果から改めて科学的に認識したしだいです。それでは、研修内容の一部を簡単に紹介します。木綿は手もみ洗い、毛織物はつかみ洗いが最適と知って、そう指導してきましたし、私生活にも活かしておりましたが、手洗い操作と洗浄効率の実験結果、それがはっきり人工汚染布に表われ、なるほどとうなずき合い、比較し合ったりしました。これなどは、備品の少ない教室兼家庭科室でも、実験条件を同一にすることができ、「児童の前でも実験して見せられる。」と強く感じとりました。また、生野菜の放水とパンの吸水実験も、いまさらのように納得させられました。「快適なすまいの条件」では、わが家の建築の早まったことを悔いたり「特別活動の本質」では、学級指導から、とかく逃げ腰だった自分をはじたりしました。

今まで、四回受講しましたが、いずれの講座も、綿密な計画、完ぺきな準備、温かい御指導は研修生の意欲をもりあげ、明日からの授業に役立つものばかりでした。

 

電気回路の測定実習

 

電気回路の測定実習

 

行健中学校

富永孝夫

結論からいって、実に楽しい、有意義な研修であった。栽培理論と土壌の実験観察の研修から始まり、各種材料試験、増幅器の製作と特性試験、刃物の研摩と木工機械の整備、ディーゼル機関の整備、誘導電動機の教具製作、けい光燈回路要素の動作試験など内容が豊富で、外部講師も多く招へいし充実したものであった。

 

 

 


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