教育福島0026号(1977年(S52)11月)-031page
は幼稚園教諭の協力を得て遊びを通して集団生活に慣れさせる訓練をする。
講師・助言者 村内小学校長、教頭、幼稚園教諭及び外来語師
経費 諸謝金 九万三千円
消耗品費 二万四千円
通信運搬費 一万一千円
会議費 二千円
計 十三万円
(うち国庫補助金五万円)
ところで、本村の乳幼児学級の特色は次のとおりである。
1、対象者を子供の年齢で限定していること。
2、一学級三教室の方式をとっていること。
3、幼児もいっしょに学習する親子学習の方法をとっていること。
4、各小学校長、教頭のかたがたを学級主事に委嘱し、学社連携による学級を開設していることである。
幼稚園の遊具を使っての遊び
このように一学級三教室という独特の方法を採用したのは昭和五十年度からで、それまで各小学校単位に三学級開設していたが、折からの人口減少により、ある学級では対象者が十四名に激減してしまった。
そのため、全村一学級制とし各小学校ごとに三教室を設け、合同学習と分散学習の方法により発足したのである。
そこで、分散学習の際は幼児を連れて出席することを義務づけ、出席率の向上をはかるとともに、幼児に社会生活に慣れさせるための機会を与える方法をとったのである。
本年度の学習計画は、次のとおりである。(左表参照)
四、乳幼児学級を開設しての効果
この学級を開設して、特に効果としてあげられるものは次のとおりである。
一、以前は子供の教育は学校に入学してからでよいという風潮が強かったが、この学級を開設してからは、対象者全員が入級を希望し、幼児期の家庭教育の重要性が認識されてきた。
2、対象者を幼児の年齢で限定しているため、共通の課題を取りあげることができ、話し合いも活発に行われるようになった。
3、幼児を連れて出席する分散学習では、九〇パーセントを越す出席率をあげることができた。
4、幼児の学習(訓練)も同時に行っており、家庭での生活態度はもとより、幼稚園生活にスムーズに移行することができた。
五、まとめ
人格形成の基礎である乳幼児期の家庭教育が極めて重要であるところから若妻学級における乳児期の家庭教育の学習内容を更に焦点化し、乳児、幼児幼稚園児、小・中・高校生と、子供の発達段階に応じた家庭教育をすすめるための系統的な施策を講じ、無限の可能性を秘めた子供たちを、すこやかに成長させるために積極的に取り組んでいきたい。
表1 昭和52年度 乳幼児学級学習計画一覧表
時期 学習課題 学習内容 学習方法 時間数 講師 会場 6月30日(木) 開講式
幼児教育の意義と課題○家庭教育の意義と重要性
○現代の家庭と両親の役割式
講義
話し合い30
1,30
1,00郡山女子大学短期大学部助教授
小森澄憲先生白沢村公民館 7月 幼児の発達と人格形成 ○幼児の身体的な発達とその心理
○幼児の要求と情緒講義
話し合い1,30
1,00村内講師 各小学校 8月 幼児のしつけとその方法 ○しつけとその基本
○基本的な生活習慣をしつけるために講義
話し合い1,30
1,00村内講師 各小学校 9月 幼児の遊びの指導法 ○心身の発達を促す遊びの方法
○絵の書かせ方,手作りのおもちゃの作らせ方講義
実技話し合い 2,00
1,00村内講師 各小学校 10月28日(金) 子供の健康と保健 ○幼児期の病気とその対策
○偏食をなくす食事法講義
話し合い1,30
1,00二本松市本田病院院長
本田岳先生白沢村公民館 12月 幼児の遊びと友達 ○遊びの意義について
○遊びとなかまづくり講義
話し合い1,30
1,00村内講師 各小学校 1月 幼稚園入園前の家庭教育 ○集団生活に慣れさせる方法
○才能をのばすための家庭教育講義
話し合い1,30
1,00村内講師 各小学校 2月15日(水) マスコミと子供
本年度の反省
閉講式○テレビの子供に対する影響
○上手に絵本を読ませる方法講義
話し合い
話し合い
式1,30
1,00
30
30二本松市教育委員長
山本ナカ先生白沢村公民館