教育福島0026号(1977年(S52)11月)-032page
統計に見る福島の教育
中学校生徒の進路等に関する調査結果
一、はじめに
昭和五十二年一月に中学校生徒の進路等に関する調査を行った。ここでは、就職希望生徒とその保護者を主として、結果の概要を見ることとする。
なお、調査の対象は、昭和五十・五十一両年度の高等学校進学率が、全国平均を上回っている中学校(以下「学校群A」という)及び両年度とも八○%を下回っている中学校(以下「学校群B」という)について、当該学校の第三学年生徒の中から無作為抽出した生徒とその保護者である。
二、生徒が進路を決める時期
生徒が進路を決定する時期を見たのが表1である。
学校群Bにおける就職希望生徒の進路決定時期は、進学希望生徒のそれより遅く、半数以上が中学三年になってから決めている。
なお、学校群Aでは、すべての生徒が進学を希望しているが、学校群Bでは、進学八七・五%、就職九・一%、その他(進学・就職以外)三・四%を希望している生徒で構成されている。
三、生徒の進路決定時期別に見た経緯
学校群Bにおいて、就職を希望している生徒のうち、初めから就職を希望していた生徒が四八・七%、初め進学希望もあったが事情があって就職を希望した生徒が五一・三%を占めているがこれら就職希望生徒を進路決定時期別にその経緯を見たのが図1である。
図1 生徒の進路決定時期別に見た経緯
早い時期に就職を決めている生徒では「初めから就職を希望していた」生徒が多く、決定時期が遅くなるに従って「初め進学希望もあったが、事情があって就職を希望した」生徒の割合が多くなっている。
また、「初めから就職を希望していた」生徒の、就職を希望した主な理由は、「早く社会に出て働き、金をとりたいから」、「学校の勉強もあまり好きでないし、働く方が好きだから」で、社会的、経済的意識が強く、「初め進学希望もあったが、事情があって就職を希望した」生徒の就職を希望した主な理由は、「自分の成績(能力)を考えて」、「早く技術を身につけ自分の能力をためしてみたいから」で、能力的、自己実現的意識が強く見られる。
四、生徒と保護者間における進路意識
学校群Bにおいて就職、技能養成所入所など進学以外(以下「就職等」という)を希望している生徒と保護者間における進路意識を見たのが図2である。
「就職等を希望している生徒」の二九・二%の保護者が進学を希望しておりまた、「子供の就職等を希望している保護者」の一二・三%の生徒が進学を希望しており、進路に関して、親子間における意識の相違が見られる。
表1 生徒の進路決定時期
(単位:%)
区分 小学校のころから 中学1年のとき 中学2年のとき 中学3年になってから 計 学校群A 進学希望 65.8 20.8 6.6 6.8 100.0 就職希望 - - - - - 計 65.8 20.8 6.6 6.8 100.0 学校群B 進学希望 35.8 27.8 20.5 15.9 100.0 就職希望 6.8 11.1 23.1 59.0 100.0 計 33.1 26.2 20.8 19.9 100.0