教育福島0027号(1977年(S52)12月)-032page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

研究実践紹介

 

「光合成」の一指導例

 

いわき市立平第一中学校理科研究部

 

一、はじめに

緑色植物は、二酸化炭素・水を原料として、光のエネルギーにより有機物を合成することとして、「光合成」の指導がなされている。

光化学スモッグ、水質汚濁等による公害の影響が社会問題となって来ている現在、「光合成」の指導も視点を変えて、これらの環境に影響された緑色植物を教材として学習に取り入れて「光合成」を指導した例を述べてみたい。

二、研究のねらい

1) 大気汚染、水質汚濁によりおかされた植物の有機物合成は、普通の環境のもとで生育した植物の有機物合成との対比からみて、どのようなちがいがあるかを知る。

2) これらの学習を通して、発展的に「ゆたかな自然観」を育てる指導の一助とする。

三、研究の方法

(1) 事前調査

1)福島県標準学力テスト実施による調査(略)

2)光合成に関する学習経験調査(略)

(2) 光合成学習の基本的な実験

1)光の強さと光合成(気ほう計算法)

2)光合成と酸素発生(インジゴカーミン法)

3)有機物合成=ヨウ素試法

4)葉緑体の観察

(3) 使用する教材

大気汚染された陸生植物、汚濁水中の植物

○市内河川十三のうち、特に水質汚濁のひどい「小名川」の水を用いる。

○市内で排気ガス等により汚染された陸生植物「アサガオ」を使用する。

四、実践例

生徒の学習経験の調査等の結果より指導計画を検討し、その内容をより重点化し、次のような指導目標を設定した。

(1) 指導目標

1)植物は葉緑体の中で、二酸化炭素と水を原料として有機物を合成し、酸素を放出していることを実験をとおして指摘できる。

2)水生植物も光合成していることを確認できる。

3)自然の環境が植物に多大の影響を与えていることが指摘できる。

 

図1 学習展開例

 

 

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。