教育福島0027号(1977年(S52)12月)-035page

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会として郡山市子供会育成連絡協議会を中心に二百九十二の子供会があり、学校校外子供会は五十三校全校にあって地域子供会といっしょのものがある。富久山地区においては、八十五方部子供会が学校・地域とも同一のものとなっている。

このような状況下にあって子供会活動の日常化を推進するためには、どうしてもインリーダーに育ってもらわねばならないが、そのインリーダーは単位子供会に、少なくとも二〜三名必要であるが、(学校で選んでくれる等のないインフオーマルなリーダー)現在は諸々含めて三百名たらずであり、日常活動化に進んでいない。これを日常活動に結びつけるには、モデル的に範を示すものが必要で、インリーダーが自主的に子供会活動を日常化出来るまで、前述の青少年教育指導員がチーフとなってインリーダー(少年団体初級指導者三〜四名、中級指導者二〜三名)五〜七名でチームを組み、 一〜二年育成会と契約して、日常活動とインリーダーの実質的育成のために、年間活動を図ろうとするものである。

 

青年団体初級指導者研修会での「演習」

 

青年団体初級指導者研修会での「演習」

 

この場合日常活動・特別活動における経費は育成会が負担し、特別な場合を除いてはいっさい口を出さないこと。またチーフの子供会活動に用するガソリン代等の必要経費は育成会負担とすること。チーフは、スタープレーに走ることなく、子供会メンバーの意見をじゅうぶんにとり入れて、リーダーの育成に心がけ、集団活動を促進するよう注意すること。

教育委員会は、このチーフを青少年教育指導員として社会的に認知し、年長者が年少の者を教え導くことの奨励を図ること。このことはボランテアとしての青年・大人を育成するためにも是非必要なことである。

 

五、少年団体成人指導者の意識の改革

最後にボーイスカウトやガールスカウト等の目的団体は別として、少年団体の日常活動化を推進するためには、例えどのような優れた企画があってもそれをバックアップすべき大人の意識の改革がなければ、少年団体の日常活動化は進まないといえる。

学校の先生にしても子供会育成者にしても、子供の自主性・自律心の向上を願って指導されているかたが大部分であろう。しかし、自主性や自律心を育てたい一心から助言・指導の適時を見失ったり、リーダーを選んでやったりする「してあげる式」「おせっかい型」で、子供がもっている「考える心」「くふうする心」を摘み、依頼心を育てる手助けをしていることが多過ぎるのではないだろうか。

そのため郡山市では大人は大人の研修会の中で、タテ型のしかもインフォーマルに形成された子供会を育成していくことを研修し、子供会の中から年長者が年少の者に教えていく、チューター方式を確立したいと努力している。ただ、どんなにあがいてもインリーダーは、きのう、きょうの一〜二回の研修で育つものではないので、頭がいたいところである。

 

最近の研修プログラム例

郡山市青年団体指導者研修GWTの進め方

この研修のねらいは、まず基本的に自分は何者であるかを自己分析し、あるがままの自分を受け入れ,グループの望むリーダーシップのタイプを知り,その話し合いを素材としてPM理論にもとづく、各自のリーダーシップのタイプを客観的に知ること。

時間プログラム名ねらい進め方用具
21日
10:00〜12:00
120分
リーダーのタイプとその必要条件まず導入として、自らのタイプを理解する。そのありのままの自分をうけ容れる。はっきりと参加者が聞きとれるよう1問を2回読み、参加者には解答欄にチェックしてもらう得点表は提出させてもよいが、自己評価の意味から提出させない方が安心感を与える。自己分析質問表、解答欄、得点表
21日
13:00〜15:30
150分
仲間意識の育て方
協力ゲーム
印象ゲーム
緊張感、不安感を除きありのままの自分を出させ、グループづくりに導く。
feedback1
印象ゲームによってお互いの価値観・人生観を知り、状況における判断の仕方を覚えてもらう。協力ゲームにより協力の仕方と視察力を身につける。印象ゲーム票・ゲームカード数種
役割観察票
21日
18:00〜21:00B
150分ゲームのつどいの持ち方programmingのセッションにgroup作業ができるよう示唆を与えること。group workを中心に進める group
workの具現化と、気持ちの流れの理解を進め、次元的ゲームの組立をmodel programによって身につけさせる。projectに結びつける。
model program
group work
資料
22日
9:00〜12:00
180分
集団決定の過程
NASA実習
section2につづき、NASA実習をとおしてGroup
consensusに至るprocessをみる。feedback2
観察者を設けてgroupにおける役割達成度を観察するとともに個人決定とグループ決定の差違を発見、ふりかえりをさせる。NASA実習資料・人数分
役割観察票
22日
13:00〜15:30
150分
プログラミング
楽しいつどい
consensusをたいせつにしながら、ゲームのつどいのprogrammingをさせる。参加者の要請に応じてのみアドバイスをする。
助言者の生かし方に目をむけること。
ゲーム用品
参考書など用いると否とを問わず自由に使えるようにしておく。
22日
18:30〜21:00
150分
楽しいつどい
指導の実際とは
指導の実際
指導のポイントをfeedback出来るよう観察させる。
対象者が実際に喜びを感じることが主であり、メンバーの出来不出来は別とすること。
指導者の持ち出しは出来るだけ避けること。
programに応じて用具を準備すること。
23日
9:00〜12:00
180分
コミュニケーションあり方
Wデスカッション
Wデスカッションをとおして、行動評価をしPM理論にもとづき図表による位置付けをする
Wデスカッションが主でなく、それをとおして、リーダーシップの自己評価と他人評価の数表による具現化を図る。
PMゲーム行動評価項目表
行動記述記入票
集計表
23日
13:00〜15:00
120分
リーダーシップ論
PM理論
まとめ
PM理論のまとめ
全体的なfeedback3
リーダーシップに定型はないが自己満足ではメンバーを育てることは出来ない。このことを自覚させたい。PM理論・資料

※この研修の組み立ては,グループワークトレーニングにプロジェクト法を併用してありますので,この用法は他に用いるときはその点注意すること。

 

 

 


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