教育福島0028号(1978年(S53)01月)-016page

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研究学校紹介

 

みずから学ぶ力を育てる学習指導はどうあればよいか

−−実験観察をとおして探究する力を育てる理科指導−−

 

飯舘村立小宮小学校 (昭和五十一・五十二年度文部省指定)

 

一、研究の内容と方法

 

学習を個々に成立させるためには、児童一人一人に主体的な学習態度を身につけさせる必要があり、そのことによって学習がより確かなものになってくる。

一人の教師が同時に複数の学年を指導する複式学級においては、児童の主体的活動はいっそう重視されなければならない。

理科学習は自然の事物現象から問題をは握し、みずから問題を解決することによって一人一人がみずから学びとる力と創造する力を育てることができるので、本主題を設定し実践研究を推進してきた。

 

(一) 研究内容

1) 科学的な見方、考え方を育てるための複式学級学習指導計画の研究改善

2) 科学的な見方、考え方を育てるための授業過程と指導法の研究

 

(二) 研究課題

1) 複式学級理科学習指導計画の改善

2) 探求能力を伸ばす指導過程のくふう

3) 学習訓練

4) 授業の体質の改善

 

(三)研究の全体構想(図1)

 

図1 研究の全体構想

 

二、研究実践の概要

 

二、研究実践の概要

 

1) 指導計画の改善(課題1)

ア、目標と内容を分析検討することにより指導事項を明確にした。

イ、同単元異程度の学習展開の中で共通学習課題を設定し、学年相互の有機的関連を図り、学習課題の解決により迫るように努めた。

ウ、柱となる科学概念と指導事項の密接な関連を図り、探究過程に適応する教材の選定を行った。

エ、科学の方法に関しては重点的に取り上げ系統性と発展性をもたせた。

オ、間接指導の充実化をめざして、SF、OHP、図表、小黒板等の活用の場を指導計画の中に位置づけた。

 

認識.活動の段階

1.主体化させる段階 [問題をつかむ]

2.方法を考える段階 [よそうする]

3.問題を解決する段階 [たしかめる]

4.理解してまとめる段階 [まとめる]

5.適用発展の段階 [ひろげる]

観点

・事物現象から教材に通じる学習課題をつかむ。

・本時の学習問題をつかむ。

・解決の予想を立てる。

・具体的な解決方法を計画する。

・実験観察により、問題解決をする。

・結果の考察をする。

・類似した問題にあてはめて考える。

・解決するための新しい問題を発見し、解決への意欲をもつ。

 

図2 複式学級における指導過程

 

2) 探究能力の伸長(課題2)

 

2) 探究能力の伸長(課題2)

ア、指導過程の基本型を設定した。複式学習指導をより確かなものにし、児童一人一人の探究能力を育てるため、直接指導と間接指導とが有効に結びあって学習が展開できるようにした。

・ 指導目標は両学年共通目標を設定し、指導内容の共通化を図った。

・ 学習の素材はできるだけ同一又は類似のものを選択し学習活動の共通化を図った。

・ 学習展開途上では、両学年相互に、できるだけ探究のための情報交換ができるよう場の設定を行った。(図2)

イ、探究能力を育てる方法を重視した。

児童一人一人の探究能力を育て

 

 

 


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