教育福島0028号(1978年(S53)01月)-027page
ねらいと当所の特性を生かしながら、季節に応じたプログラムを立案し、実施している。小、中、高等学校は、学校行事等の関係で、二学期までの利用度が高い。
勤労青少年、特に企業研修においては、研修内容が講義.討議に終始し、「自然に親しみながら、集団宿泊研修活動」という青年の家の性格からみれば、望ましいプログラム編成とはいいがたい。青年の家についての文部省の調査資料によると、入所以前の研修生に対して、「入所後の研修内容で一番望むものは何か」。という問いに、四二パーセントの人が、野外活動をあげている。また、退所時の反省として、研修活動のなかで、一番印象が強かったこととして四二・六パーセントの人が野外活動をあげ、次に、「美しい自然環境」や「室内レクリエーション」をあげている。このことからも研修生は、野外活動と実技を取り入れた研修内容を望んでおり、今後は、利用団体との事前打ち合わせにおいてプログラムの編成に配慮し、研修効果を一段と高めていきたい。
楽しいテント生活
表中、その他の活動内容のなかに、「きたときよりも、うつくしく」という当所の信条を理解し、奉仕活動を積極的に取り入れている団体が多くなっている。
図2は、海浜の特性を生かしながらの野外活動の内容である。
対象団体における野外活動の実施件数に差があるので、比較は困難であるが、利用団体は、研修のねらいに応じて活動内容を取り上げ実施している。
この表でみると、年間をとおして実施可能なハイキング、オリエンテーリング、フィールド・ワークの実施率が高い。特に、小学校では、フィールド・ワークによってグループづくり、協力性、冒険心などを養い、中学校以上の団体においては、オリエンテーリングをとおして、決断力、協力性、指導性を養っている。引卒指導者からも、研修生からも松川浦のすばらしい景観のなかでの活動は喜ばれている。
ハイキングは、鵜ノ尾岬までのコースで、自然観察、海浜活動などを内容として取り上げ、ハイキング活動に変化をもたせながら行っている団体が多い。
図2 野外活動における研修内容(52.1.5〜52.11.30)
四、終わりに
利用者を対象別にみると、勤労青少年がやや少ない状況にある。(図3)更に、月別利用状況をみると、五月〜九月までに集中する傾向にある。今後の課題として、勤労青少年の団体、特に、その自主的団体の利用を拡大するとともに、団体の指導者の育成と年間を通じて平均化された利用状況となるよう努力していきたい。
四年目を迎え、今後、更に利用団体の増加と研修内容の多様化も予測される。研修生の要求に対応できるように従来のものを再検討し、研修効果と施設の充実を図っていきたい。
図3 対象別利用状況(52.1.5〜52.11,30)
表1 地区別利用状況(52.1.5〜52.11.30)
地区別
対象別県北 県中 県南 福島 安達 伊達 郡山 岩瀬 石川 田村 西白河 東白川 勤労青年 241 129 186 55 41 36 94 28 14 在学青少年 小・中学校 980 900 259 724 36 184 194 - 39 高校 576 196 107 76 170 3 51 374 50 大学 41 10 9 16 4 1 1 - 3 指導者・その他 149 33 44 18 17 6 15 28 22 計 1,987 1,268 605 889 268 230 355 430 128 % 14.4 9.2 4.4 6.5 2.0 1.7 2.6 3.1 0.9 地区別
対象別会津 南会津 いわき 相 双 県外 合計 北会津 両沼 耶麻 南会津 いわき 相馬 双葉 勤労青年 18 25 28 17 60 390 71 117 1,550 在学青少年 小・中学校 59 - 78 - 998 2,114 562 239 7,366 高校 14 52 57 120 422 420 225 206 3,119 大学 3 1 2 2 1 7 8 193 302 指導者・その他 33 24 44 23 43 800 97 27 1,423 計 127 102 209 162 1,524 3,731 963 782 13,760 % 0.9 0.7 1.5 1.2 11.1 27.1 7.0 5.7 100