教育福島0028号(1978年(S53)01月)-034page

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福島の文化財

 

史跡 白河関跡

白河市大学旗宿字白河内字関森

 

キロの山間に位置しており、栃木県境からは約三キロメートル北の地点である。

 

遺跡は国鉄白河駅の南方約十キロの山間に位置しており、栃木県境からは約三キロメートル北の地点である。

ここに東西約百四十メートル、南北約百八十メートル、比高(ひこう)約十三メートルの小丘があり、丘上には白河神社が祭られている。この地は関ノ森と呼ばれ古来白河関跡とされており、松平定信の「古関蹟碑(せきひ)」もここに建てられている。

昭和三十四年から三十八年にかけてこの地の発掘調査が行われたが、その結果、土塁・空湟(からほり)を設け、これに棚木をめぐらした一種の古代防御施設の跡であることが明らかにされた。

また、複合した建物跡も検出されているが、出土の土師器(はじき)はいずれも平安初期ころのものと考えられ、八世紀から九世紀にかけての活動を物語っている。

白河関の設置年代は明らかでないが九世紀前半には史上にその存在が知られており、また当時の東山道がこの地を通過していたこともほぼ確実であり本遺跡をもって白河関跡とすることは妥当と考えられる。したがって、類例の乏しい古代関跡の遺構を遺存する一例として学術上価値が高い。

(所有者・白河神社ほか)

 

 

 


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