教育福島0029号(1978年(S53)02月)-008page
る。
(三) 一人一人の文章表現力の向上を図るよう、個々の実態に応じた指導をする。また、評価や作品の処理の方法をくふうし、書く意欲や喜びを味わわせるようにする。
三、書くこととの関連も考慮して、読むことの指導の充実を図る。
(一) 教材研究に当たっては、文章内容及び言語要素、言語技能の面から教材内容を的確に分析し、指導事項を重点化して、確かな読解・鑑賞の能力を身につけるようにする。
(二) 読むことの活動の中に表現活動を取り入れ、表現することによって理解がいっそう深まるようにしたり、読むことの学習で得た能力が、作文するときに役立つよう配慮しながら指導するなど、読むことと書くことの関連をいっそう深める。
また、読みの過程における評価をくふうし、主体的な読みの態度を育成するようにする。
(三) 読書に対する興味と意欲を高め、進んで読書に親しむ積極的な読書態度を育てる。
その際、他の教科等における読書についての指導や学校図書館との関連も考慮する。
中学校
国語の指導は、今年度から、現行指導要領の規定にかかわらず、全学年でその全部又は一部について、新学習指導要領の規定によることができることとなった。
したがって、移行期間中の指導計画の作成に当たっては、現行学習指導要領による指導計画の内容を新学習指導要領の趣旨に沿って検討する。
その際、ねらいに応じて言語活動の重点化を図るとともに、文章表現力をはじめ言語表現力と読書力を養うことに重点をおくようにする。
一、作文・書写の指導を計画的に行い、文章表現力の向上を図る。
(一) 作文を主とする指導の時間は、十分の二〜三程度を充てるように指導計画を検討する。
その際、学年の発達に即し、作文指導の目標や指導事項を的確に押さえ、系統性のある計画とする。
(二) 実際に文章を書く機会を多くするとともに、読むことや、ことばのきまりの指導などとの関連を考慮し、一人一人の能力に留意しながら文章表現力の向上を図るようにする。
(三) 記述前、記述中、記述後という作文の過程のそれぞれの段階で、何をどのように指導していくか、制作の過程の各段階における指導をくふうする。
(四) 書写の指導に当たっては、国語科書写の性格を正しくとらえ、指導時数を押さえて指導計画を検討する。
(五) 文字指導や作文指導など他領域との関連を考慮して、書写学習の成果が生徒の日常生活の中でも生かされるよう指導の内容や方法をくふうする。
二、文章を正確に読む能力を高めるとともに、豊かな読書力を身につけさせるよう努める。
(一) 生徒の実態に即し、読解技能の系統を正しくふまえ、文章を理解し鑑賞する基本的な能力と態度が、確実に身につくよう内容と方法をくふうする。
(二) 語句、文、文章構成、文体、要旨主題などについての読むことの指導が、文章表現力の向上にも連がるよう指導の内容、方法をくふうする。
(三) 文章の叙述に即して内容を読み取る能力を高めるとともに、その能力が読書カヘと発展するよう配慮する。
そのため、進んで読書しようとする意欲を喚起し、読書の喜びや感動を得させる指導をくふうする。
三、国語科における基礎的な能力の育成にいっそう努力する。
(一) 漢字や語句、表記や文法事項等の指導を重視し、単元や題材及び単位時間の指導の中に的確に位置づけ、系統的な指導と一人一人の実態に応じた指導をくふうする。
(二) 聞くこと・話すことの指導に当たっては、読むこと、書くことの指導と関連を図りながら、特に、「正確に聞きとること」と「的確に話すこと」に重点をおき、指導計画や教材を検討し、ねらいを明確にして指導を展開する。
四、教材内容の研究を深めるとともに、効果的な指導法について研究する。
(一) 指導のねらいを明確にし、指導事項を重点的に押さえ、ゆとりある指導過程を組織し、生徒の積極的な学習態度を助長するようにくふうする。
(二) 国語科の指導内容は、指導事項と教材と活動とによって具体化されることになる。
したがって、指導事項を中心にすえて教科書教材を検討し、適切な活動を選んで授業を展開するようにする。
(三) 授業では、生徒の興味や問題意識を大事にし、集団の課題意識にまで高めるようにする。
更に、個人思考と集団思考によって思考を深め、練り上げていく学習方法を身につけさせ、人間形成につながる思考力や心情を育てるよう配慮する。