教育福島0029号(1978年(S53)02月)-015page
身が探究することが可能かどうか見通しを持って指導計画をたてる。
二、自然の事物・現象に直接ふれる学習を重視し、一人一人の生徒がみずから考え、探究の過程を通して、基礎的、基本的な科学概念及び自然を調べる方法技能が確実に習得されるよう指導方法の改善に努める。
(一) 基本的な探究の過程によって、すべての単元を指導するのでなく、指導内容、教材及び生徒の既有知識等に応じて、多様な探究が行われるよう、指導にくふうを加える。
(二) 教師中心の探究のみでなく、生徒一人一人が自分の考えにより、思い通りの実験.観察を行い、探究できる場の設定をくふうし、生徒の主体的な学習を助長するよう努める。
(三) 生徒が一様に習得すべき基礎的・基本的な事項と、生徒一人一人の能力に応じて習得していく事項とを、できるだけ明確にして指導に当たる。
(四) 自然の事物・現象に直接ふれ、具体的な活動を通して学習が行われるよう、いっそう努めるとともに、結果だけを重視する学習に陥らないようにする。
三、評価について実践研究をすすめ、指導計画や指導法の改善を図る。
(一) 自然を調べる方法.技能、科学的な能力の評価方法について、実践を通して研究を進める。
(二) 指導の過程の各段階において、必要に応じて生徒の反応をとらえて評価し、それによって、個々の生徒に対し、適切にフィードバックを行うよう努める。
四、理科学習の効果を高めるため学習環境の整備、活用に努める。
(一) 実験・観察器具、薬品等を点検整備し、常に使用できるようにしておく。
(二) 地域の自然環境を教材化するように努める。
五、理科学習における安全についてじゅうぶん指導し、事故の防止に努める。
(一) 実験・観察の技能を高めるとともに、教師は、予備実験や予備調査を行い、事故の防止に努める。
(二) 危険を伴う実験については、いくえにも安全対策をたてて実施する。
(三) 薬品の管理を確実にする。
高等学校
自然の事物や現象についての見方、考え方や、創造的能力の育成を目指し、基礎学力の充実を図るため、指導内容や指導方法について研究と実践を深める。そのため、次の事項について努力する。
一、各科の目標を分析・検討して指導内容の重点化・教材の精選を図り、より具体的な指導計画の作成・改善に努める。
(一) 各科目の基本的な科学概念を柱として、基礎的な指導事項を精選するとともに、領域全体の構造化を図り総合的・関連的に自然現象を理解できるような指導計画の作成に努める。
(二) 教材のねらいや特質に合わせて問題の発見、観察、実験、情報収集、推論、仮説、検証などの科学の方法に関する学習を適宜組み合わせ、年間指導計画の中に位置づける。
(三) 教材の精選に当たっては、生徒の実態や中学校理科との関連をじゅうぶんに配慮する。
(四) 実験や観察は、各科目の全領域にわたるように配慮する。また地域の生物的・地学的自然環境を考慮して、学習指導の中に生かすようくふうする。
このため、実験法の改善や教具の自作等も積極的に進める。
二、生徒の能力・適性の多様化に対応し、一人一人の学習の成立を図るための学習指導法の改善に努める。
(一) 授業の展開に当たって、本時の到達目標を明確にし、それにせまるための授業内容のじゅうぶんな分析を行う。
(二) 指導の中での個別化を図るため、指導過程の各ステップにおいて、随時一人一人の反応をとらえ、適切な指導を加えるための研究を深める。
(三) 教育機器の特性を生かした利用により、学習の効率を高める。
三、評価についての実践的研究をもとに、その改善に努める。
(一) 生徒自身が、自己の学習到達度を知り、学習意欲をさらに高めるような評価のありかたについて、研究と改善を加える。
(二) 授業の各スナップごとに生徒の反応は握をじゅうぶんに行い、個々の生徒に対する情報の提示や、評価法の改善に努める。
四、安全な理科実験の指導についてじゅうぶんに配慮する。
(一) 実験・観察における基本操作の技能の習熟について特に配慮する。
(二) 実験・観察や野外調査などの指導に当たっては、予備実験や予備調査を行い、事故の防止に努める。
(三) 有害物質や可燃性物質の取り扱いについては、細心の注意をはらって指導するとともに、その管理等にもじゅうぶんに留意する。