教育福島0030号(1978年(S53)04月)-017page

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試みるほか増加単位数を設定して、能力、適性に即した指導の個別化をめざしている。また、生徒と進路、通性の多様化に対応するため、履修の類型を多くしたり、多様な教科選択のコースを設定したりしているが、その方向での努力が必要な学校が少なくない。

イ・各教科以外の教育活動

ホームルームは、昭和五十一年度平均で第一学年三十九時間、第二学年三十九時間、第三学年三十六時間実施している。クラブ活動は、各学年とも基準の三十五時間をようやく確保している現状である。また、生徒会活動、学校行事の時間は、学校によってかなりの差がみられる。同一学校内でも学年によって大きな差が認められる。(第一学年平均七十七・二時間、第二学年平均百二・九時間、第三学年平均七十七・八時間「高等学校教育課程実施報告」(昭五十一)の集計による。)これは課程別による差異、その年度に文化祭学校祭がもたれたかどうか、修学旅行が実施された学年かどうかなどさまざまな要因によるものと考えられる。

従って、今後は、教科にあっては、生徒の能力、適性の多様化と各学校の実情に応じた教育課程の編成に努める必要があろう。また、各教科以外の教育活動について、なお、その適正実施のための検討が必要であろう。

二、施策の基本方向

(一)教育課程

1)学習指導要領の改善に伴い、その趣旨を生かし、実践上の諸問題の解明を図る。

2)教育課程の編成において

○各校の望ましい特性をいっそう伸長させるような類型の設定や教科選択を推進する。

○各教科・科目の学習指導と各教科以外の教育活動について調和のとれた指導計画のありかたを総合的に検討する。

○大学入試制度の改革を機に基礎的学習内容をいっそう重視し、その指導の徹底を図る。

 

第五節 養護教育

 

第一項 教育機会

 

一、現状と課題

(一)養護教育対象人口

養護教育は、心身に障害をもつ児童生徒にふさわしい教育の機会を保障するため、盲、聾、養護学校等で行われている。

その就学状況をみると、盲、聾、養護学校の就学者は、ほぼ一定数で推移し、昭和五十一年度には、千三十八人となっている。小学校の特殊学級就学者は、毎年、漸増する傾向を示し、昭和五十一年度には、三千八百七十人となり、中学校の特殊学級就学者は、昭和四十九年度以降ほぼ横ばい状態で推移し、昭和五十一年度には、二千百人となっている。(図2-5-1)

不就学学齢児童生徒数をみると、小・中学校教育就学免除者及び中学校教育就学猶予者は、緩慢ながら減少する傾向を示し、昭和五十一年度には、合わせて百四十二人となっている。小学校教育就学猶予者は、毎年、著しく減少し、昭和五十一年度には、百三十二人となっている。(図2-5-2)

従って、今後は、養護教育の機会を拡充するとともに、心身に障害をもつ児童生徒の不就学の解消に努める必要があろう。

 

図2-5-1 養護教育機関別就学者数の推移

 

(注)「学校統計要覧」(昭41〜昭51)による。

 

(注)「学校統計要覧」(昭41〜昭51)による。

 

図2-5-2 不就学学齢児童生徒数の推移

 

(注)「学校統計要覧」(昭41〜昭51)による。

 

(注)「学校統計要覧」(昭41〜昭51)による。

 

(二)就学指導体制

心身障害児の適性就学を図るため、県においては「福島県心身障害児就学指導会議」を県内四地域に設置し、就学指導、心身障害児の調査及び教育相談、心身障害児就学指導講習会等を実施している。

市町村においては、心身障害児就学指導審議会を設置し、適正就学を図っているが、それを設置しているのは、昭和五十一年度において、三十九市町村である。

また、小・中学校においては、心身障害児就学指導業務を校務分掌上の組織として位置づけているものは、昭和五十年度において、小学校三百十六校中学校百四十二校である。

従って、今後は、県、市町村及び学校段階を有機的に結びつける教育相談の常設機関を設置し、就学指導体制の整備充実に努め、適正就学の実現を更に推進する必要があろう。

二、施策の基本方向

(一)養護教育対象人口

昭和五十四年度に実施される養護学校の義務制化に伴い、対象児童生徒数が急速に増加するものと想定されるの

 

 

 


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