教育福島0030号(1978年(S53)04月)-019page
第四項 教育内容・方法と指導体制
一、現状と課題
本項では教育課程について述べる。養護教育には、視覚障害、聴覚障害、精神薄弱、肢体不自由及び病弱・虚弱教育があり、それぞれの障害種別、程度等に応じた教育課程を編成している。
視覚障害教育の教育課程は、盲学校においては、小・中・高等学校に準じて編成し、障害に応じた教育を行うため、養護・訓練(週三時間)を特設している。小学校の弱視学級においてはこの学級を設置している小学校の教育課程に養護・訓練を加えている。
聴覚障害教育の教育課程は、聾学校においては、幼稚園及び小・中・高等学校に準じて編成し、障害に応じた教育を行うため、養護・訓練(年間百五〜百四十時間)を特設している。小・中学校の難聴学級においては、設置学校の教育課程に聴能訓練等の養護・訓練を加えている。
精神薄弱教育の教育課程は、各教科道徳、特別活動、養護・訓練の四領域であるが、実際には、障害の軽重に応じた教育課程に再編成している。
肢体不自由教育の教育課程は、各教科、道徳、特別活動、養護・訓練の四領域から編成されているが、治療中及び脳性まひ等の児童生徒については、特例の教育課程が編成されている。
病弱・虚弱教育の教育課程は、個々の病弱・虚弱の状態に即応して編成され、年間授業時数も児童生徒の心身の状況に応じて設定されている。
従って、今後は、それぞれの障害の種別、程度等に応じた教育課程を編成し、個々の児童生徒の実態に即応した教育を行う必要があろう。
二、施策の基本方向
視・聴覚障害教育については、障害の多様化に伴い、学習指導要領の領域別、教科別教育内容を障害に応じた教育課程に編成するよう努める。
精神薄弱教育については、児童生徒の障害の程度、発達段階に応じた教育課程に再編成するよう努める。
肢体不自由教育については、児童生徒の肢体不自由の状態及び心身の発達、特性等を考慮し、障害の程度に適応した教育課程を編成するよう努める。
病弱・虚弱教育については、各教科道徳、特別活動、養護・訓練の目標及び内容を考慮し、児童生徒の実態に応じた教育課程を編成するよう努める。
第三章 社会教育
第一節 社会教育活動の拡充
第一項 家庭教育
一、現状と課題
家庭教育の機会として、乳幼児学級家庭教育学級及び家庭教育(幼児期)相談事業が行われている。
乳幼児学級は昭和五十年度から開設し、昭和五十一年度は三十一市町村に三十七学級の開設となっている。
家庭教育学級は昭和四十一年度には三百七学級であったが、その後逐年増加し、昭和五十一年度には県内九十市町村中八十五市町村に四百十七学級開設されている。
家庭教育(幼児期)相談事業は乳幼児をもつ親等への援助活動の一環として、はがき通信やテレビ放送により直接家庭に幼児教育に関する情報を送りとどけており、昭和五十一年度は、県内の約一万四千世帯(三歳児の第一子をもつ両親を対象)に年間九回のはがき通信を行っている。また、テレビ放映は年間二十九回(十五分カラー)となっている。(「社会教育統計要覧」(昭五十一))
従って、今後は、これらの実績を踏まえ、希望する親等が学習できるよう乳幼児学級及び家庭教育学級の開設促進を図るとともに、家庭教育(幼児期)相談事業の対象者の拡大及び学習機会の情報の提供を進め、親等の学習意欲を更に喚起する必要があろう。
二、施策の基本方向
乳幼児学級について、学習機会の拡充のため、未開設市町村の解消を図る。
家庭教育学級について、一小学校区に一学級以上の設置を目標に開設を促進する。
家庭教育(幼児期)相談事業の対象をゼロ歳児から就学までの子をもつ親に拡大する。なお、家庭教育について個別の学習の要望に応じるため、テレホンサービスの開設を図る。
第二項 青年教育
一、現状と課題
昭和五十一年度の青年学級開設状況は三十市町村に五十八学級となっている。なお、青年学級の開設が困難な場合の青年教育の機会として青年教室が三十市町村に八十三教室開設されている。これを、昭和四十一年度と比較すると、青年学級は約半数に、青年教室は二倍となっている。(「社会教育統計要覧」(昭四十一、昭五十一))
従って、今後は、青年の発達段階に即した学習内容の改善研究を進め、設備の充実を図り、勤労青年の自発的な地域活動が促進されるよう学習の機会と場を積極的に提供する必要があろう。
また、青年学級・青年教室の末開設市町村の解消に努める必要があろう。
二、施策の基本方向
青年学級、青年教室の特質を再認識し、適正な開設に努めるとともに、青年学級、青年教室の末開設市町村の解消を図り、すべての市町村において学習の機会と場を提供しうる態勢をつくる。
第三項 成人教育
一、現状と課題
(一)成人学校・成人学級・成人講座