教育福島0031号(1978年(S53)06月)-006page
小中学校における生徒指導
はじめに
社会の急速な発展、環境の変化、各種情報のはんらんする中で、心身の成長過渡期にある児童生徒の中には、自己実現を図ろうとしながら足を踏みはずし、問題行動や非行にはしったり、非社会的傾向や病的傾向をもつに至り自己の能力等がじゅうぶん発揮されずに学校生活や家庭生活を過ごしている者も少なくない。
昭和五十二年度においても、児童生徒の窃盗、自動車・バイク等の無免許運転、家出、自殺等の事故が新聞等に大きく報道され、生徒指導の充実、強化は、学校における課題であるばかりでなく、社会全体の問題として考えられるようになってきている。
このような現況のもと、各小中学校では、生徒指導を学校教育における重要な柱とし、家庭、地域社会、関係機関等と連携をとりながら全職員が指導の徹底に努めているところである。
生徒指導の意義や内容等基本的なことがらについては、例年本誌において述べてきているので、今回は、小中学生の最近の事故の傾向や対策を取り上げ参考に供したい。
児童生徒のもつ問題
(一) 児童生徒の非行の傾向
過去五年間における児童生徒の補導状況をみると、刑法犯少年は中学生が増加しているが、ぐ犯・不良行為少年は、横ばい状態から下降しており、総数では、前年と比べてかなり減少してきている。(表1参照)
このことは、各学校、家庭、地域社会、関係機関が連携して事故防止に努めてきた成果とみることができよう。ただし、ぐ犯・不良行為少年については、その性質上、潜在的なものも多分にあると考えなければならない。
刑法犯少年の中では、窃盗が群を抜