教育福島0031号(1978年(S53)06月)-018page

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三、 集団生活における規律の維持向上につとめる。

 

(一) 民主的なふんいきを高め、成員一人一人の集団に対する所属意識や連帯感の高揚に努める。

生徒間に集団としての連帯感を成立させるためには、まず生徒間の相互理解が必要である。

相手についての知識をもち、互いの気持ちを知りあうことによって相互に心の結びつきができる。

そのうえにたって、所属する集団の目標を共通に理解し、それぞれの立場や役割を認め集団の規範をも理解し、それにそって行動しようとする態度も生まれるものである。

そして、生徒がともに集団をささえているという気持ちを強くもつことができればその集団は心理的に結合している集団であるといえるし、その上にたって集団がある目標を達成したときもしくは達成しつつあるとき、あるいは、自分も集団に貢献していることを教師や他の生徒から認められ賞賛されることなどによって所属感はいっそう強められるのである。

このような集団のふんい気がつくられていれば、生徒の精神的健康はよく保たれ、人格形成にも寄与するところが大きくなる。

換言すれば、生徒指導がよりよくその効果をあげうる基盤ができることになる。

このような集団意識を育てるために特に教師として留意しなければならなすことは次のようなことであろう。

◇生徒はそれぞれ異なった能力や特性をもっている。

集団の目標が高すぎれば、能力の劣っている生徒はついていけないし、低すぎれば能力のすぐれた生徒にはたいくつであろう。

同じような教師の訓戒でも、よく受け入れる生徒もあり、反抗的になる生徒もある。

集団活動では、すべての生徒がそれぞれの能力や特性に応じた役割を分担し、それぞれの生徒が、相互に有用であるということを認めあうふんい気に満たされるよう配慮すべきである。

◇生徒相互の関係だけでなく、リーダーと成員との関係に注意しなくてはならない。そして、教師、リーダーについてはリーダーとしての正しいあり方と、一般の生徒についてはフォロワーとしての心構えを指導する必要があろう。

◇共通の目標をもった活動、たとえば、クラブ活動や、部活動、体育祭、学園祭などの行事を通して集団としてのまとまりを図ることである。

このような機会は、生徒相互の共通目標に向って協力する機会であり、この協力を通して連帯意識が深められるのである。

現在、磐城農業高校では文部省指定の高等学校生徒指導研究推進校として「無気力、無関心な生徒や問題行動に走りやすい傾向に対し、学校生活に親しみを持たせ学習意欲を高める指導はものようにしたらよいか」というテーマで二年間の研究を進めている。その一部を紹介すると、

◇所属意識と連帯感とを育成するために

ア、 農業実習や日課の校舎内外の清掃等の協同作業場面をとおして

1) 農業実習の班編成とその他の班活動(ホームルーム活動・清掃)を同一にし、小グループに分けての教師と班員、班員相互の助け合いを助長する。

2) 清掃を授業と同じように位置づけ、担当指導教師との協同作業で、師弟同行の場とする。

イ、 部活動の活発化

1) 原則として全員加入とし心身ともに強固なものを育成する。

2) 合宿施設の活用をはかり、教師と生徒、生徒と生徒相互の人間的ふれあいの場をつくる。

ウ、 全体指導(定期的には月一回)

1) 全校同一規準、同一歩調の指導

2) 全校集会時の校歌斉唱

3) 創立記念日についての指導

創立当時の先輩の苦労、エピソードの語り継ぎ。

4) 新入生の入学直後の集団宿泊訓練によるオリエンテーション(磐青)

エ、服装指導の徹底

1) 全体指導による服装検査や個別指導の徹底

2) 全校集会時における校歌斉唱と同じように、所属意識や連帯感を外側から指導するなど全教師同一理解の上にたって指導の積み重ねが実施され効果をあげている。

(二) 礼儀、服装など基本的生活習慣の確認に努め、学校の集団生活における秩序と規律の維持に努める。

価値観の多様化している現状では、礼儀・服装・髪型などの風俗現象に対して、学校として一定の方針を定めて指導はしているが容易でない問題である。

この問題については、まず学校の従来の方針、伝統的校風といった面からの見解、生徒会や生徒自身の内側の声等もあり、まとまりにくいわけだが生徒指導部としては、生徒の置かれている状況を分析し、教師の共通理解を深めることがまず肝要である。

基本的には「校風」というものは、学校という共同体の主役であり、生徒をどう指導するか、それによって生徒がどう変化するかを、教職員が温かく見守るなかで変っていくものと思われる。

その意味では特に校内の関係するすべての教師が協力し、また、生徒のリ

 

 

 


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