教育福島0031号(1978年(S53)06月)-019page

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ーダーをじゅうぶん指導し、生徒と協力しながら、集団の指導運営を実際に展開するというような配慮も必要であろう。

次は、磐城農業高校の基本的生活習慣についての指導例である。

◇全職員の共通理解、同一歩調による規律指導

○生徒の実態からみた具体的、基本的行動様式の指導項目の策定

○指導方針に基づいた指導展開

指導上の留意点例としては

ア、 集団生活の中での規則の必要を体験させ、自己規制ができるよう指導する。

イ、 服装が乱れていたり、奇異な服装をしている生徒は、それで良いもの、あるいは格好がよいと思っている場合が多い。

この考え方に対し、服装に対する美的センスを育てたり、集団生活における服装のもつ意味などを指導する。

ウ、具体的指導場面では

服装検査、校門補導、昼食指導、所持品検査、授業中の態度、週番活動の援助指導など

エ、訓育的指導と自主的活動の調和をはかるなど教師が積極的に生徒集団にとけこむ姿勢で実施されている。

(三) 生徒の自主活動を育成し、集団の相互作用によって自主的・自律的生活の徹底を図る。

このテ−マに関しても磐城農業高校では

◇自信をもたせる指導(劣等意識をもつ生徒の多い実態から)

ア、 全クラス三分間スピーチの実施、原稿事前提出、担任指導後発表

イ、 全クラスによるグループ活動の援助指導(グループノートの活用)

◇自主的活動を放任に置きかえることのない指導

ア、 生徒週番活動のみなおし

イ、 学友会、生活委員会活動促進援助

ウ、 各種役員のリーダー養成など

生徒活動の教育活動は「生徒の自発的・自治的な活動」を展開するところに共通点が認められる。

従って、生徒活動の各内容は、教師の適切な指導によって、生徒が自発的・自治的な活動を展開し得るようにするとともに、全生徒が積極的にする活動となるようにすることがたいせつである。

この性格については

○教師の適切な指導のもとでの生徒の自主的実践的な集団活動であること。

○教師と生徒及び生徒相互の人間的な接触を基盤とする教育活動であること。

○すべての生徒のそれぞれの人格のよりよき発達をめざす教育活動であること。

○学校の創意と教育的識見を生かし、地域・学校・学級などの実態に応じて弾力的に実施できる教育活動であること。

○生徒の能力、適性等の発見と伸長、協力の精神、勤労尊重や社会連帯の精神の育成、健康な心身の助長などを目指すことのできる教育活動であること。

これらの性格は、特別活動の全体に共通するものであるが、特に生徒活動の展開の際に最もよく生かされるべきものであろう。

もちろん、生徒活動の目指す教育的な価値を高めるためには、教師の適切な指導が必要であり、また、平素からの教師と生徒及び生徒相互の人間的な接触を基盤にしなくてはじゅうぶんに達成し得ないことも言うまでもない。

ことに、学校の創意と教育的な識見を生かすことは生徒活動の基本的性格である。

従って、生徒活動における指導のために必要な計画・組織・資料・方法・評価などにおいて、いずれも各教科における指導とはかなり異なり、学校の教育的識見と創意くふうにまつところが大きく、このことによって初めて教育的な成果を上げることが可能になるのである。

その意味で磐城農業高校の研究推進は学校長を中心として全教師が、生徒の人間としての怠りに対しては厳しく警告し、生徒の心にある良心に呼びかけ、目覚めさせることが教師としての役割という意識にたって

○怠惰や安易な生き方、無責任な自己中心的行動を許さない。

○生徒の失敗や挫折などの危機場面を生き方の学習の機会としてとらえ、失敗や責任を受容する勇気を教える。

○生徒の自発的な問題解決学習の機会や場を与える。

○より高い望ましいものへの挑戦の勇気を育てる。

など学ぶ点が多い。

 

四、 地域ぐるみの生徒指導の推進

 

(一) 地域社会の諸機関、団体との連携を緊密化し、地域ぐるみの生徒指導を推進する。

生徒を取り巻く家庭・学校・社会の生活環境が大しく変化し、生徒の意識はますます多様化し、その生活行動はますます広域化してきている。

従って、今までのような学校教育中心の考え方にとらわれず、家庭教育、学校教育、社会教育がそれぞれ独自の機能を発揮し、相互に、補完的な役割を果たしながら、家庭・学校・社会の連携を緊密化し、関係諸機関、団体とともに、地域ぐるみの生徒指導をいっそう推進することが急務となってきている。

現在、すでに県内各地で、独自な地域ぐるみの生従指導を展開し、それぞれ成果をあげているところが多い。例えば、その一つに、保護委員会の活動があげられる。

この保護委員会は、昭和三十四年、県内各ブロックごとに生徒の非行防止と健全育成を目的として発足し、昭和五

 

 

 


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