教育福島0031号(1978年(S53)06月)-041page

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やさしい教育法令解説

 

学校とは

 

一、 学校の定義

 

学校法第一条は「この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾(ろう)学校、養護学校及び幼稚園とする。」と定めて、教基法第六条の「法律に定める学校」の範囲を明確にしています。

学校を一定の教育目的を達成するために計画的かつ継続的に教育を行うのに必要な人的、物的要件を備えた施設としてとらえると、実質的に学校教育形態をとるものはかなり多く存在します。その中で学教法に規定する九種類の学校は、公教育機関としての学校として法的地位を確認され、学教法その他の法令で規定される条件をみたすことが要求されます。

これらのほかに、学教法第八十二条の二に規定されている専修学校と、第八十三条による各種学校及び特別の法律によって設置されている警察大学校、自治大学校、税務大学校などがあります。

 

二、 学校の設置者

 

学校の設置とは、一般に教職員を配置し、校舎などの施設を整備し、所定の手続きをへて学校を開設することです。

学教法第二条は「学校は、国、地方公共団体及び私立学校法第三条に規定する学校法人のみが、これを設置することができる。」ことを定めています。

国立学校の設置者は国であり、すべて任意設置なので、国立学校設置法などの法令にもとづいて設置されます。

地方公共団体は、学教法により設置義務を課された学校のほかに、任意に学校設置者となることができますが、それらの設置や管理についてはすべて条例で定めなければならないことになっています。市町村は小学校、中学校を設置する義務を負い、都道府県は高等学校の設置主体として主要な役割りを果たしているほか、盲学校・聾学校を設置する義務を負っております。養護学校については、昭和五十四年度から設置義務を負うことになっています。

私立学校の設置者は、原則として学校法人に限られていますが、私立の盲・聾・養護学校および幼稚園については、当分の間、財団法人、宗教法人あるいは私人などにより設置することが認められています。

 

三、 学校設置基準

 

学校設置基準は、学校を設置しようとする者が従わなければならない学校の設備・編制その他に関する基準で、文部大臣が学校の種類に応じて定めたものです。もっとも現行法上、必ずしも明確に整備されておらず、すべての種類の学校について制定されてもいません。しかし学校設置基準は、監督庁が学校設置の認可を行う場合の基準であるばかりでなく、設置後の学校管理運営においても充足すべき最低の基準でもあるので、早急に法令によって定められることが望まれています。

 

四、 学校の設置認可

 

学校の設置者は、法令に定められた事項について、監督庁の認可を受けなければなりません。

監督庁は公立学校については、当分の間、都道府県の教育委員会です。

私立学校の場合には、都道府県知事が認可監督庁となります。公立又は私立の大学については、文部大臣が認可監督庁です。

 

五、 専修学校と各種学校

 

昭和五十年学教法の一部改正によって、新たに専修学校が設けられました。従来からの各種学校は「学校教育に類する教育を行うもの」としか定められていませんが、専修学校は「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ること」をその目的として定められております。各種学校が、学教法第一条の学校との制度的な関連をもっていなかったのに対して、専修学校の高等課程は「中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて」教育を行い、専門課程は「高等学校における教育の基礎の上に」教育を行うものと規定され、それぞれの教育が中学校又は高等学校の教育からの継続性をもつものとなっています。また、一般課程は、高等課程又は専門課程以外の教育を行うものとされ、入学資格に関しては学歴を問わないことになっており、特定の学校教育を基礎としない教育を行うことを意味しており、高等課程や専門課程のように学校教育体系とは特別のかかわりをもたないもので、学校教育形態をとった社会教育的性格の教育機関とみることができます。

 

 

 


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