教育福島0032号(1978年(S53)07月)-006page

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小学校・中学校

 

小学校・中学校

 

学習指導展開のための留意事項

 

はじめに

 

よい授業をしたい。これだけはなんとか身につけさせたいと願う教師の意欲をいったい児童生徒はどのように受けとめているのだろうか。授業者はそのことを知っているのだろうか。

従来はややもすると、各教科の指導が専門的内容についての知識の伝達に傾斜し、しかもその取り上げる内容が多過ぎて、完全に消化できないという現状であった。教師の努力とはうらはらに、児童生徒は学習への意欲を失い、そこにいわゆる「落ちこぼれ」という現象が生じて来たと言われている。いきいきとした学習指導の展開にあたって、まずこのことを念頭においてかからなければならない。

このような現状打開のために、新しい学習指導要領が告示され、教育課程改善の仕事が始められた。これを機会に指導計画の練り直しをはじめとして、学習指導の内容・方法の再検討をしなければならないが、なんといっても学習指導の原動力となるのは、現場の先生がたの授業への取り組みであろう。

本県教育委員会においても、本年度の重点施策の一つに「教職員の指導力の向上と教育活動の充実」を掲げ、その推進に努力しているところである。

本号では、新しい学習指導要領の趣旨を生かして、いきいきした学習指導を展開するにはどうしたらよいか。各学校で配慮すべき事項を示すことにした。(国語、社会、算数・数学、理科、音楽以外は次号)

 

一、学習意欲の喚起

 

毎日の授業をいきいきしたものにするには、学習者である児童生徒のおう盛な学習意欲を基盤とすることは言うまでもない。要はその学習意欲をどのように喚起させ持続していくか、学習指導法とのかかわり合いで考えてゆく必要があろう。

どうすれば意欲がわき、やる気が生じるのか、このことを常に念頭において授業を進め、その中であれこれくふうしながら児童生徒の反応を確かめていく必要があろう。

意欲は外的と内的の二つの誘因によって喚起されると言われている。外的な誘因として、他からの励ましや賞賛あるいはしっ責等があげられる。学習者の努力に対するねぎらいや共感は、あすの学習への意欲をかき立てることになるだろう。そのために教師は児童生徒の実態をよくは握し、そのときそのときの気持ちの変化をよく知って、それにふさわしいことばを投げか

 

 

 


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