教育福島0032号(1978年(S53)07月)-012page

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合い等の学習活動でゆとりと充実がもたれるように計画をする。

さらに一人一人の児童生徒の予想される反応をじゅうぶんに見きわめた展開案を作成する必要がある。

 

三、指導法の改善

 

(一) 一人一人の児童生徒が、みずから問題を発見し、みずから考え、自然の事物・現象を調べる能力・態度を養い、基礎的な知識を身につけさせるためには「教える指導」かち「育てる指導」に、教師の体質が変容する必要がある。

それには、教師が受容的な態度に徹し、児童生徒の発想をたいせつにし、全体の学習の場に取り上げてやる。全体の学習の場に出された意見は、児童生徒相互の話し合いが、じゅうぶんなされて取捨選択されるよう図る。

(二) 基礎的・基本的な事項については、一人一人の児童生徒に定着するよう努めなければならない。

そのためには、教えるべき内容を抽出し、一人一人の児童生徒に徹底して理解させ、定着するような指導法の研究を要する。

(三) 観察・実験するための基礎的能力を身につけさせるための指導法の研究が必要である。

例えば、いろいろな計量器具の取り扱い方、ガラス器具の取り扱い方、電源の取り扱い方、加熱器具の取り扱い方、野外観察調査用具の取り扱い方等々、正しく取り扱う能力・態度を一人一人に定着させることが肝要である。

このような諸能力・態度が身についた上での観察・実験でないと、そこで得た測定値や結果を授業で活用されないことになる。

 

四、教材研究の進め方

 

(一) 教材のもつ教育的価値を明らかにする、目標分析をじゅうぶんに行う。

特に、指導要領・指導書の熟読につとめる。

(二) 教材のしくみを明らかにする構造分析につとめる。

この教材の中心となる考え方はなにかを、しっかりとらえて教材を構造的にとらえておく。

(三) 教材の関連を明らかにする関連分析につとめる。

教材の発展性・系統性の検討と他教科・他教材との関連を図る。

 

五、授業の反省記録

 

反省記録の必要性は、今更のべるまでもないが、学習指導案の改善は、前年度の反省記録の上にたって成立するものである。児童生徒の予想される反応も、昨年度の反省記録があればこそ、予想されるものである。

可能な限り、授業の反省記録を克明に残すことは、明日への飛躍に欠くことのできないステップである。

 

音楽

 

音楽の学習は、児童生徒に楽しく、豊かな音楽経験をさせることによって音楽を学習する喜びを得させ、音楽性を養い、育てるとともに、音楽を愛好する心情を育てるように努めなければならない。

本年度の音楽科の指導の重点として「音楽的感覚を豊かに育てる指導が展開されるよう指導計画を改善する」ことと、「児童生徒が進んで音楽活動をするよう指導方法の改善に努める」こと等を掲げ、それぞれに具体的な観点を示している。

これらは、いずれも音楽科の学習指導を進めるうえでじゅうぶん配慮すべきものであるが、各校ではさらに、自校の児童生徒の実態に応じて、重点的に努力すべき事項を明確にし、児童生徒一人一人の学習状況をたしかめながら、着実な指導をすすめなければならない。

ここでは、「指導計画の改善」と「指導方法の改善」に当たって、基本的に考えなければならない留意点を述べ、いっそう充実した授業が展開されるよう期待したい。

 

一、音楽科の目標の理解を深める

 

各校では、すでに新学習指導要領への移行措置に基づいた指導計画によって学習指導が行われているが、この移行措置について単に教材曲数の軽減、指導事項の削減を行えば足りるという安易な理解に止まってはならない。

教科の目標の改善点とその理由をじゅうぶん理解し、自校の学習指導の実態に照らして改善を図ることがなによりもたいせつである。

 

(一) 音楽を愛好する心情を育てる

音楽科の目標は次の四つの柱から成り立っている。

○ 表現や鑑賞の活動を通して(小)能力を伸ばす(中)

○ 音楽性を培い(小)、これを高める(中)

○ 音楽を愛好する心情を育てる(小・中)

○ 豊かな情操を養い(小)育てる(中)

この目標が従前の目標と異なるところは「表現と鑑賞の活動を通して」ということと、「音楽を愛好する心情を育てる」というところである。

このような改善が行われた理由は、音楽の学習にあっては、表現の技術や知識の学習に偏ることがないよう留意し、音楽の美しさ、音楽学習の楽しさを感じとることができる心情の豊かな

 

 

 


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