教育福島0032号(1978年(S53)07月)-036page
児童・生徒1人当たりの教育費(2)
はじめに
児童・生徒一人当たりの教育費を、前回は公財政支出から見てきたので、今回は家計支出の面から、昭和五十一年度「父兄が支出した教育費」の調査結果を見ることにしよう。
なお、ここでいう学校教育費とは、父兄が子供に公立の学校教育を受けさせるために支出した経費であって、家庭において予習・復習・補習を行うために支出したいわゆる家庭教育費は含まれていない。
一、子供の学校教育費に使われた経費
父兄が子供の学校教育のために支出した児童・生徒一人当たりの学校教育費(年額)が表1である。
昭和五十一年度の児童・生徒一人当たり学校教育費は、小学校六万五千八百四十八円、中学校八万六千五百三十二円、全日制高等学校十一万六千九百九十円となっている。
これを、前回調査を実施した昭和四十八年度と比較してみると、小学校は二・〇七倍、中学校は一・七一倍、全日制高等学校では一・五八倍となり、小学校の伸びが太きいことを示している。
二、直接支出金と間接支出金との関係
父兄が支出した学校教育費を、直接支出金(子供に学校教育を受けさせるために、父兄が直接支出した経費)と、間接支出金(子供に学校教育を受けさせるために、学校あるいは学校教育関係団体に納付又は寄付した金額で、これらの機関を通して間接的に子供の教育に使われる性格の経費)に大別して、比較して見たのが図1である。
これを見ると、学校教育費のうち直接支出金の占める割合は、小学校では昭和四十八年度の四六・五%から五十一年度の五〇・六%へ、中学校では同じく四五・九%から五五・五%へ、全日制高等学校では四六・七%から六〇・八%へと高まっており、父兄が支出した学校教育費の増加が、この直接支出金の増加によるところが大きくなっている。
三、支出項目別に見るとどうなっているか
学校種類別に、支出項目別の児童・生徒一人当たりの学校教育費とその構成比を示したのが図2である。
小・中学校では給食費と教科学習費が特に高く、全日制高等学校では通学費が最も高い割合を示している。
なお、中学校の給食費が小学校より低いのは、学校給食の完全実施率が小学校より低いためである。
四、高い割合を占めている教科学習費と通学費
(一) 教科学習費
父兄が子供の学校教育のために支出した経費のうち、教科学習費の占める割合は、中学校では最も高く、小学校
図1 直接支出金、間接支出金別に見た父兄が支出した学校教育費
表1 父兄が出した学校教育費(51年度)
区分 実額 指数(注) 対昭和 昭和48年度 昭和51年度 昭和48年度 昭和51年度 48年度比 小学校 円
31,764円
65,848100 100 倍
2.07中学校 50,552 86,533 159 131 1.71 全日制高等学校 74,119 116,990 233 178 1.58 (注)指数は,それぞれ小学校の金額を100とした場合です。