教育福島0032号(1978年(S53)07月)-038page
福島県教育センターから
情報処理教育の現状
せん孔室/電子計算機室
はじめに
当センターが、情報処理教育を担当するようになったのは、昭和四十六年度からであり、全国的に初めて情報処理教育センターが発足して第二年次にあたり、第四番目の設立である。
当時、わが国では、昭和四十五年を「情報元年」と名付け、情報化社会のなかにあり、情報化時代に主体的に生きられる人間の育成をめざして、新しい教育が求められており、本県でも、いちはやく高等学校における情報処理教育をいっそう推進するために、情報処理教育係がセンターに設置されたのである。
設立以来、県内の教育研修と生徒実習を二つの柱として、情報処理教育に関する調査、研究及び資料の収集、作成利用、更に、関係機関、団体との連携その他情報処理教育の推進のために必要な事業を行ってきた。
以下は、当センターが果たしてきた役割の主なものについて、その現状を記したものである。
一、利用できるセンターの設備
研修者並びに生徒実習で利用できる設備を実習項目別に分けると、A〜Dの四項目になる。
A、フォートランやコボル等の実習
B、マークシートによる実習
C、アセンブラ言語の実習
D、数値制御工作機械の実習
これら実習項目とおもな設備との関係を表示したのが表1である。
二、教員研修
教員研修は原則として、県立学校の教職員を対象とし、当センターの研修計画に基づく研修であり、情報処理教育講座の内容は、次のとおりである。
(一) 情報処理教育講座
センターが講座を開設して以来、昭和五十二年度までの研修人員は、表2のとおり六百五十一名に達している。
研修者の主なものは、県立高等学校の工業科や商業科の担当者であるが、最近、普通科の数学担当の研修者が目だつようになってきた。このことは高校数学講座の一コマに情報処理教育を導入して、研修者が電子計算機にふれる機会に恵まれたこととは無関係ではなく、また、情報処理教育が専門的教養や技術としてのみではなく、一般的教養として、直接情報処理教育専門科目を担当する教職員に限らないで、広
表1 利用できる情報処理設備
装置及び機器名 数量 機能 実習項目 装置及び機器名 数量 機能 実習項目 中央処理装置 1 ・32KB A,B,D タイプライタ装置 1 ・20字/秒
・1行印字120字/秒A,B 磁気ドラム装置 1 ・524KB A,B,D X・Yプロッタ装置 1 400ステップル/秒・ペソ上下10回/秒 A 磁気テープ装置 2 ・21.6KB/8 A,B 紙カードせん孔装置 16 ・文字(英・数・記) A 磁気ディスクバック装置 2 ・5MB A,B,D 紙カード検孔機 1 ・文字(英・数・記) A ラインプリンダ装置 1 ・1000行/分・136桁/行 1 紙テープせん孔機 13 ISOコード・活字128字 A,C,D 紙カード読取装置 1 ・800枚/分 A 印刷電信装置 4 ISOコード・シフト4段・活字128字 A,C,D 紙テープ読取装置 1 ・240字/秒 A,D 超小型電子計算機 1 ・8KB・タイプライタ付 C 光学マーク読取装置 1 ・100枚/秒 A,B 数値制御装置 1 ・制御軸数3・同時制御軸2 D 紙テープせん孔装置 1 ・100字/秒 A,D 工作機械 1 NCたてフライス盤 D
表2 年度別研修講座研修者人員調べ
年度
講座名46 47 48 49 50 51 52 計 コボル初級 24 30 26 15 13 10 118 コボル 14 14 フォートラン初級 29 29 30 44 30 43 40 245 フォートラン中級 28 29 57 フォートラン上級 14 30 21 14 14 93 数制御工作機械 15 15 15 15 11 15 86 オペレーションリサーチ 13 15 10 38 合計 53 74 85 104 92 121 122 651