教育福島0032号(1978年(S53)07月)-039page
く職業科目や普通科目の担当者を対象とするように進展したからでもあろう。
(二) 新しい講座内容の展開
今年度の講座名は表3に示すとおりである。講座内容については、年々改善を加え、研修者の多様化傾向に対応して同一講座の学科別編成や班別指導方式を導入し、更には、個別指導を適切に行うなどじゅうぶん配慮をしているので、初心者にも抵抗なく研修ができる。
新しく、今年度から数値制御工作機械講座に基礎的な自動プログラミングを導入し、研修者の一巡に対して、内容の高度化を図ったり、OR講座を二期に分け、研修者が断続研修してORの手法をやや専門的に体得できるようにした。
教員研修風景
更に、コボル講座では、中級程度を含めたものを展開しており、中級講座独立について、検討されてよい時期でもあろう。
講座を充実させることによって、情報処理教育担当者の固定化を防ぎ、底辺拡大をはかっている。
(三) 研修者の声
◇未知の分野を紹介していただき、ひさびさに勉強に対する興味と意欲がわいてきました。
◇初級としては高度な内容でしたが懇切・適切な指導により、予想以上の大きな収穫を得ました。
◇りっぱな施設・設備そして消耗品を自由に使用できたことはうれしい。
三、生徒実習「学校のわずかな装置と比べ、センターはその内容や数の点で充実しているため、順番待ちもなく自分のプログラムをすぐせん孔してランできる点は、大変よいことのように思う」と、実習を終えた生徒の所感に書かれている。県内の商・工高校にはすでに二十校に「超小型電算機」が導入されているにもかかわらず、来所して実習を行うのは、センターでしか得られない本格的な情報処理システムに接し、いっせいにより高度な利用ができるからである。
表4は生徒実習の推移を表示したものである。来所しての実習生の数が五十三年度から減少しているのは、センターから遠隔地にある学校の来所が、経費などの都合で減少したからである。
生徒実習風景
終わりに
数値制御、情報処理実習のふんい気は異常なほど熱気が充満し、せん孔室→廊下→電算室と目を輝かした実習生が走りまわる。時間の延長を訴える。まことに頼もしい情景である。
ちなみに、講座以外の教員個人研修者を数えると、昨年は百四十四人、生徒実習の日数は七十八日、正規の講座日数を合わせるとまさにフル運転である。
このほか、通信制によるプログラム処理や県内小学校、学力検査などの事務処理も行っている。
高教研、工業部会、商業部会などの教育研究団体とも密接な連携を保ちながら、今後ともますます情報(技術)処理教育の推進を目指してゆきたい。
表3 昭和53年度研修講座一覧表
講座名 対象 人員 コボル 担当 15人 フォートラン 初級 一般 40 中級 一般 15 商業科向け 15 上級 一般 10 OR 担当 10 数値制御工作機械 担当 15 産業教育実技 担当 30
表4 生徒実習の推移(昭和47年度〜昭和52年度)
年度
コース47 48 49 50 51 52 電子計算機(来所して) 818 2,085 2,656 2,615 2,480 2,040 電子計算機(OMRによる) - - - 542 1,780 1,491 数値制御工作機械 83 465 389 427 594 633 計 901 2,550 3,045 3,584 4,854 4,164 ※ 昭和47・48・49年度のOMRでの利用は「来所して」に含まれている。