教育福島0033号(1978年(S53)08月)-006page
中学校における進路指導の進め方
過去二か年にわたって「中学校における進路指導の進め方」を特集してきたが、今回は、計画面に焦点をあて、中学校における進路指導のあり方について考えてみることにする。
一、進路指導のとらえ方
中学校における進路指導のとらえ方に、進路指導を単なる中学校卒業時における就職あるいは高校選択の指導であるというような誤った考え方が教師や父母にないだろうか。
本来的な意味での進路指導は、職業のあっせんや高校進学のための準備や補習などではなく、個々の生徒の能力・適性等の発見と開発を前提としつつ、彼らが自主的に進路の選択をし、やがて自己実現を達成していくというように生徒一人一人の可能性の発達を図る教育活動であり、将来の生活における生き方の指導・援助であるといえる。
二、進路指導の性格
このような観点に立てば、進路指導の基本的性格として、
○ 進路指導は、生徒みずからの生き方についての指導・援助である。
○ 進路指導は、個々の生徒の職業的発達を促進する教育活動である。
○ 進路指導は、一人一人の生徒をたいせつにし、その可能性を伸長する教育活動である。
○ 進路指導は、生徒の入学当初から毎学年、組織的、計画的、系統的に行われる教育活動である。
○ 進路指導は、家庭・地域社会・関係諸機関等との連携、協力が特に必要とされる教育活動である。
ということができる。
三、進路指導の活動
これらの定義づけ、性格をふまえて、学校進路指導の機能という角度からその活動をみると、次の六つの活動に大別することができよう。
(一) 個人資料に基づいて生徒理解を深める活動と生徒に正しい自己理解を得させる活動
生徒個人に関する諸資料を豊富に収集し、一人一人の生徒の能力・適性等をは握して、進路指導に役立て