教育福島0033号(1978年(S53)08月)-010page

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が来談に応じた。

更に三年生では第一回を七月、第二回を十一月に三者面談をもち、第一回は希望進路の方向づけと生徒指導面を重点的に、第二回は私立高校を含めた進路決定のための具体的な相談とした。その間にも随時必要に応じて希望進路と適性、学力問題及び生徒指導等多面にわたる二者面接に当たってきた。

面談に当たっては、特に教師から生徒に押しつける指導を排し、生徒の意志をあくまで尊重する姿勢で、更に高校卒業後までの見通しの上にたって、生徒みづから自己の進路を決定できるように努めてきた。また、就職希望生徒に対しては義務教育最終生徒として慎重に相談に当たってきた。

(二)、学校説明会

進路決定をせまられる第二学期後半に行われている進路指導の行事であるが、本校でも数年来学校紹介を兼ねた説明会を実施してきた。

この説明会は主として郡山市内私立高校及び各種学校を対象として、各校より講師を招へいして十一月中旬、午後より一校当たり十五分程度で学校紹介、入試方法、学校生活のあり方等を三年生全員と保護者に聴取させている。特に本地域のように、上級学校についての知識や情報の乏しい生徒のためには高校や各種学校が理解でき、自分の特性と能力を考慮して進学校を決定するための意義のある説明会である。

(三)、親子懇談会

本地域は農村地区であるが、農業の現代化に伴って保護者の共働きが多く、いわゆる「鍵のない鍵っ子」がかなりあり必然的に子供との家庭における対話も欠けがちである。しかし、三年生をもつ親としていちばんの関心事は子供の進路問題である。親子ともどもの共通の悩みを話し合う場として学年PTAで年度はじめに計画された。

実施に当たって保護者ができるだけ多く参加可能な時期も考えて、夏休みを利用した。保護者の出席も予想以上で、保護者のこの懇談会への期待が察知できた。保護者と対面して一堂に会した生徒には発言を好まない者もあったが、討論形式でしだいに両者の発言も活発になり会の盛り上がりが見られた。

 

一堂に会した親子懇談会(52年7月)

 

一堂に会した親子懇談会(52年7月)

 

発言の中から生徒の考えや、親に対する要望、意見、また親側からは学習と希望進路、家庭生活の中での子供のあり方、子供に望むことなど両者それぞれの立場から相互の理解を深めることができ、はじめての試みとしては実に有意義な懇談会であった。

このような話し合う場を通して、親と子の心を結びつけ、保護者は進路指導のみならず中学教育の理解と関心の高まりと、生徒には生活態度の確立、自己の希望進路実現への取り組みと、生徒、保護者一体となって自己実現に当たり、進路決定もスムーズに比較的好結果をもたらしたとも考えられる。

(四)、親子芋煮会の計画

親子懇談会と同じように、一二年生が希望進路実現に努力している中間の秋の一日を利用して、親子のくつろぎ触れ合う中で、更に相互理解を深めるべく親子芋煮会が計画された。

しかし、学校行事の野外学習、創立二十周年記念行事、農繁期等が重なり実施できなかったが、このような学年PTAの計画をたいせつにしながら本年度は是非実践していきたい。

(五)、単位時間運用にともなう諸活動時間の活用

本校では一単位時間の運用によって生じた余剰時間三十分を授業終了後、「諸活動の時間」として活用している。

五十二年度は週のプログラムに水、木曜日は質問学習、金曜日は教育相談を位置づけ、特に質問学習では、学力向上対策として国語、数学、英語の基礎能力の養成をねらいとし、水曜日に課題を提示してグループによる助け合い学習をさせ、次の木曜日には前日の学習のたしかめを実施してきた。このような生徒相互の協力的な学習を通して、生徒の学習に対する興味や意欲を喚起するとともに、みずからの課題に主体的に立ち向かう学習態度の育成に努めている。

教育相談の日は定期相談、呼び出し相談等に利用し、進路指導のほか生徒指導のための相談も行っている。

 

五、終わりに

 

本校において進めてきた進路指導の概略を述べてきたが、今後の課題として改善すべき点は次のようなものである。

(一)、三年生の当初の希望は生徒の意向が強いが、それをできるだけ実現させるようにしても結果的にはかなりの者が第二希望の方にまわっている。

(二)、生徒の側から自発的に進路の相談をもちかけるようにする。

(三)、進学した生徒、就職した生徒のその後の指導のあり方を検討する。

(四)、親の理解を得るための学校としての指導のあり方等について、絶えず教師自身の問題としてとらえ、よりよき進路指導の指針として行きたい。

 

 

 


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