教育福島0034号(1978年(S53)09月)-019page

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その理由として多くあげられたものは食品の概量並びに重量がわからないが多く、食品の目測テストの結果も正解率はきわめて低かった。

 

二、指導計画−献立と調理(家族の献立)

(一) 題材の目標

各自の家庭の献立をたて、計画的に食生活を経営する実践的態度を養う。

(二) 指導過程

家族構成と献立 一・五時間

食費と献立 一時間

調理の能率と献立 ○・五時間

献立作成演習 二時間

このうち、事前指導○・五時間、本時一時間、まとめの指導○・五時間である。

 

三、指導の実際

(一) 本時の目標

○各グループ発表を通して自分の家庭の食生活を反省し、望ましい献立作成のポイントを反復し、我が家の日常食の献立をよい方向に近づけるくふう点を見いださせる。

○食品の重量並びに概量の関係を少しでも多くは握させる。

(二) 事前指導

○グループ編成について。

豊富な内容を合理的に学習させる方法としてグループ別テーマを設け、研究させることとした。

○グループ分けは、家族構成より次のようにし、食生活の不満点などを話し合わせ研究の動機づけをした。

研究グループ

a)幼児を含む家族の献立

b)老人のいる家族の献立

c)青年中心の献立

d)四群点数法による家族の献立

○各グループの研究内容と学習目標を明確にする。

グループ別に、少しでも幅広く、深くのぞかせるための自主的学習の項目を話し合わせ、教師の指導目標との関連を持たせながら研究項目を表1のように決めさせた。

グループ研究発表というと、とかくいろいろと戸惑いを感ずるので、どんな点に戸惑いを感じているのかをつかみ、解決の道を開いて学習意欲を盛りたてて、活動のペースにのせることがたいせつである。そのためにも各グループの研究内容をはっきりととらえさせ、調査研究の方法、まとめ方のくふう点などを個別指導する。

○発表の仕方のくふうと個別指導

限られた時間内で研究内容をいかにしたらみんなにわかりやすく発表できるかを考えさせくふうさせる。教師は、その参考資料として、図表のまとめ方、TP資料の作り方、OHPの使い方等、サンプルを示して指導し、全体の授業の流れに変化のあるように注意する。

生徒の自主的研究時間は二週間くらいみて、第一週目は調査研究、第二週目はそのまとめとして放課後に指導時間をもつ。

○視聴覚教材の利用

進度の早いクラスの研究発表の様子をビデオに集録し、他のクラスの指導資料として利用した。この点同じ学習をさせるのに幾クラスも同じことを指導するのはたいへんであるが、たいへん利用価値があったと思う。

○食品の概量並びに重量の学習を身につけさせるために、摂取量をできるだけ具体的な食品で示す実物の提示をさせた。

 

四、本時の授業過程と反省(表2参照)

 

生徒の研究発表(c)「青年中心の献立」では、向老期前の父母への配慮が足りなかった点などを反省としてあげられ、考え方が総合的になってきていることがうかがえた。また食品の価格もよく調べられ、わかり易い表にまとめ、安価な献立作成に利用を進めるなどよい発表であった。(b)「老人のいる家族の献立」では、朝のうめぼしと、お茶に始まり、夕食のハンバーグを老人向きに和風ハンバーグ(大根おろしをたっぷりつけ、しょう油で味をつける)にかえ、調理過程は同じだが、付け合わせで、味で変化をつけ、老人のし好に合わせるなどよいくふうがなされていた。(d)「四群点数法」では、残りものを食べ栄養過剰ぎみの母の健康を案

 

表1 研究グループ

  (a)幼児を含む家族の献立グループ
 1 幼児の食事の実態と反省(プリント)
 2 幼児の特質 (図表)
 3 幼児の食事の注意点 (図表)
 4 幼児のし好とおやつについて(TP)
 5 食事とおやつの組み合わせ(TP)
 6 成人食→幼児向への調理のくふう(TP)
 7 改善献立表 (プリント)
 8 実物の提示

 

  (b)老人のいる家族の献立グループ
 1 食事記録よりの反省 (TP)
 2 >老人の生理的特質 (図表)
 3 老人のし好調査 (図表)
 4 易消化食の調理 (プリント)
 5 特質を考えた食事のくふう(図表)
   老人食→若向きへ
   若向き食→老人向きへ
 6 改善案 (TP)
 7 改善前と改善案の比較 (TP)(円型グラフ)(プリント)
 8 実物の提示

 

  (C)青年中心の献立グループ
 1 自分の食事の反省 (TP)
 2 若い人のし好調査 (TP)
 3 特に好きな料理 (図表)
 4 食品の価格調べ(プリント)(図表)
 5 安価な献立のくふう (TP)
 6 改善献立表 (TP)
 7 我が家の改善献立との比較 (TP)(円型グラフ)(プリント)
 8 実物の提示 (実物)

 

  (d)四群点数法による献立グループ
 1 家族の食事の反省 (プリント)
 2 母の食事の改善点 (TP)
 3 点数法とは何か (TP)
 4 各食品の点数一覧表 (図表)(プリント)
 5 健康を保つための食品群別(TP)採点法 (プリント)
 6 点数法による献立作成 (TP)(プリント)
 7 実物の提示

 

 

 


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