教育福島0034号(1978年(S53)09月)-033page
生学園を訪れ、あるいはその学園長の佐藤文生先生の直接の指導をうけて基礎を作るに至った。
(二) 学園の活動
1)学園の目あて
発足当時から現在に至るまで、その中に流れている活動の基本的なものは変りない。すなわち近代社会に即応した健康にして明るい老人としての知徳の向上を図ることを目的とする。
その内容は、
○社会の変化とその理解
○若い世代の理解
〇健康の維持
〇趣味と教養の充実
〇社会奉仕活動
〇レクリェーション
2)活動の実践例
○機関誌「ふくじゅ」編集
昭和四十一年より毎年発刊し(平均五十ページ)今日に至り既に十二号までに及んでいる。内容としては論説あり、随想あり講議の記録、反省、歴史、文芸にまで及ぶバラエテーに富んだもので活動内容が一目でわかり、それを学園に持参して学習資料とするときもある。
○老人の山
面積一反五畝、昭和四十年四月に刈り払い整地をなし、毎年自力で刈り取り、杉押し立て等の勤労に従事している。小規模ではあるが、植林の重要性を社会に示し、老人の奉仕活動をしている。
○奉仕活動
ボランティア活動は、他の団体に比較して第一線で活躍し、考え方においても老人なりの社会的役割を感じ、社会の一員としての社会参加である。
内容としては町の花いっぱい運動、寺院公園の清掃、町の美化を呼びかける看板の掲示、道標の建設等を積極的に実施。
○祖父母学校一日入学
小学校中学校に一日入学して孫の教育について研究し、新しい教育体験をしている。特に家庭において老人と子供の接触は重要な問題である。
○見学旅行と交歓
春秋二回、町内外の文化行政施設の見学と交歓によって視野を広めている。
○学習会
毎月八日(八は末広がり)学園を開設。血圧測定、健康診断、体操、歌、講義、交通訓練、映画フォーラム、花園の手入れ等。
○運営は自分たちで
学園の運営は委員長を中心に八名の委員によって諸計画、レク係、体操係、歌唱係、出席係、受付係等があって自主的に運営されている。
※在籍百七十名、平均毎月百三十五名の出席は下らない。最遠隔地は片道八キロメートル、冬季間も出席。
四、むすび
社会教育は一朝にして成るものではなく、長い歴史とその定着が必要である。その意味からすれば前述の「連絡協議会」と「福寿学園」は我が町に定着した社会教育機関といっても過言ではない。
福寿学園「老人の山」の刈り払い作業