教育福島0034号(1978年(S53)09月)-035page
手で、積極的に生きがいを見いださなければならない。このためには、公民館は教育的な施策を強力に進めなければならない。
3) 以上の観点から次のねらいを設定する。
イ)心身の健康(人生をより長く、よりたいせつに) ロ)生きがい(家庭や社会の中で) ハ)奉仕活動(経験を役だてる) ニ)社会連帯性(集団生活の中で)
(三) 事業実施上の留意点
1) 高齢者の健康及び季節を考慮し、実施回数、時間数を配慮する。
2) 学習計画、出席確認等運営全般にわたり自主的に進められるようにする。
3) 課題別学習計画(コース別学習等)
を組織化するように努める。
長寿大学学習風景
(四) 学習計画作成のための観点
1) 系統的学習は困難なので、もうら主義をとる。
2) 学習内容については、健康保持、趣味、教養に重点をおく。
3) 地域社会の課題をとり入れる。
4) 学習方法は聞くことから、話す、書く、作る方向へ移行するよう努める。
5) 生きがいを育て、趣味を身につけるため、囲碁、将棋、民謡、書画、園芸、読書等のクラブ活動を設けるよう努める。
(五) 学習目標
生がい教育の立場から、目まぐるしく変化する社会構造の中で、時代に即応できる物の見方、考え方、行動のしかたを学び、生きがいある老後生活の充実を図る。
(六) 運営委員会
1)構成
(イ) 学級生代表(各単位老人クラブ会長、副会長)(ロ) 町老連会長、同会計(ハ) 公民館長、社教主事、社教指導員(ニ) 町社会福祉協議会事務局長
2) 任務は長寿大学運営についての協議
(七) 予 算
(イ) 報償費 九八、○○○円
(ロ) 需要費 二〇、○○○円
(ハ) 役務費 四、五○〇円
(ニ) 賃借料 一二〇、○○○円
計 二四二、五○○円
以上のような計画によって開催されるわが町の長寿大学は、実になごやかなふんい気をもち、男女の別なく、元気な人が体の不自由な人のめんどうをみ、相互助け合いながら「表1」の学習内容にそって意欲をもやしている。学習日は、教育委員会の送迎バスの巡回があるので、欠席者が少なく、毎回百人余の出席があり、学級生のほとんどが健康の許すかぎり、生がい教育を合い言葉にして毎年留年している。また、計画された学習の他に、自主的な奉仕活動も行っている。
四、今後の課題
○ 七十歳前後の学級生が多く、六十歳前後の学級生の加入が少ない。
○ 学級生の固定化とともに、学習内容のマンネリ化がみられる。
○ 高年齢のためか、リーダーの過剰サービスのためか、個々の自主性に欠けている。
○ 学習内容に対する要求課題が趣味に傾きがちで、必要課題に関する理解が少ないような傾向がある。
以上のように、当面する問題がないわけではないが、昭和四十九年度から継続実施されているわが町の長寿大学は、しっかりと定着し、他部門の社会教育振興に与える影響も大きく、わが町の社会教育の主柱となっている。
今後ともますます改善を重ね、よりいっそう進展すべく努力していきたいと考えている。
表 昭和53年度 富岡町長寿大学年間学習計画表