教育福島0035号(1978年(S53)10月)-006page

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特集

 

特集

養護教育の歩みと展望

 

一、本県における養護教育の歩み

 

(一) 盲・聾・養護学校及び特殊学級の拡充と推移

1)視覚障害児、聴覚障害児の教育

本県の養護教育は、明治三十一年盲人渋木重庵氏らによって、福島第一小学校の校舎の一角に「私立福島訓盲学校」が設置されたのが最初である。

この学校は、全国的にも比較的早い創設であり、当時としては規模も大きく、内容も充実しており、県内ばかりでなく、他県からも入学していたようである。

 

その後、盲教育のための学校が、県内各地に設置されたが、いずれも民間人の手によるものであった。

聾教育については、これより遅れて大正十五年に設置された私立二本松聾唖最初である。

このように戦前の盲教育、聾教育は篤志家とその協力者によって支えられてきたといってよい。

その沿革を表1に整理して示してみよう。

本県の盲、聾学校は、終戦をはさむその前後、多くの辛酸を味わった。特に、昭和二十年三月十日の爆撃で平盲学校は、校舎・寄宿舎を全焼するという被害を受けている。

昭和二十三年四月一日、新しい学校教育法により、盲、聾学校の義務制が施行されるに及び福島県立盲聾学校、同郡山分校、会津分校、平分校が設置され、その後の経緯は、表2のとおりである。

現在、盲学校は、本校一校(福島)聾学校は、本校一校(郡山)分校三校(福島、会津、平)と統合されたが、これは、図1のように児童生徒数の漸減と、従来、盲学校、聾学校で教育を受けていた弱視児、難聴児のための学級が小・中学校に設置されたことによるためである。

 

2)精神薄弱児の教育

本県の精神薄弱児の教育は、大正十二年、福島県師範学校附属小学校に設置された特殊学級が最初である。

戦前、この学級の担任であった長沼

 

表1 戦前の盲・聾教育略年表1)

 

年月日事項
明31・2・11私立福島訓盲学校開校
 38・10・17安積訓盲会発足
 39・11・23私立磐城訓盲院開設
 41・3・16私立郡山訓盲学校設立認可
 41・6私立喜多方訓盲学会創立
 41・6・25須賀川盲人協会創立
 41・7・18私立喜多方訓盲学校発足
 44・4会津訓盲学会設立(私立会津訓盲院)
大12・8・28盲学校及び聾唖学校令公布
 13・9・1私立郡山訓盲学校市立移管
 15・1・22私立二本松聾唖学校認可
昭4・5・11私立福島訓盲学校の学則変更し、私立福島盲唖学校とし聾唖部設置
 6・4・1福島、郡山、平、会津、二本松校を県立代用校とする
 9・3・8私立会津訓盲院市立移管・喜多方校廃校
 19・4・1私立福島盲唖学校を県立移管
 〃二本松校県に移管、福島校に統合
 〃私立磐城訓盲院市立移管

 

 

 


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