教育福島0035号(1978年(S53)10月)-022page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

手続きは施行令附則中の経過措置についても同様である。

なお県教委としては、前述の2)3)4)のそれぞれの学校・機関の処理する就学事務に関して、適切な指導・助言を行うことになっている。

 

(三) 昭和五十三年度心身障害児就学指導手続き(前ページ図4参照)

 

「学校教育法施行令及び学校保健法施行令の一部を改正する政令」が政令第三一〇号をもって、また「学校教育法施行規則及び学校保健法施行規則の一部を改正する省令」が文部省令第三〇号をもって、昭和五十三年八月十八日公布、同日施行となったことにより、就学に関する事務手続きの改正が行われたので、その内容をふまえて、以下これからの就学手続きについて述べる。

心身障害児の就学の適正を期するために法令上、細部にわたって手続きが定められている。その手続きを示せば次のようになる。

 

1)学齢簿の作成、改正後の学校教育法施行令第二条では、市町村の教育委員会は、毎学年の初めから五か月前(十月三十一日)までに学齢簿を作成しなければならない。(同施行令第一条準用)

 

2)学校保健法第四条による就学時の健康診断とその時期については、学齢簿が作成された後、翌学年の初めから四か月前(十一月三十日)までの間に行うこと。

この就学時の健康診断の結果に基づいて、市町村教育委員会は、児童に治療を勧告したり、保健上必要な助言を行うほか、就学猶予・免除等に関し適切な指導を行わなければならない。従って、市町村教育委員会は、医師、心理学者、学識経験者、福祉職員、養護教育担当者、小中学校長等で組織される就学指導審議会において、心身障害児に対し、慎重に検討を加えるとともに、判別困難な者については、県の就学指導会議の指導助言を得ることとし、適正な就学指導のための判別を行うことになる。これは、各市町村の教育委員会において最も慎重を要するところであり、心身障害児の盲・聾・養護学校への適正な就学指導を図る面からも、手続き上必要欠くべからざることである。

 

3)盲者等についての県への通知、学校教育法施行令第十一条によって、同施行令第二条に規定する者のうち盲者等については、市町村の教育委員会から、県教育委員会に対し、翌学年の初めから三か月前(十二月三十一日)までに、その氏名及び盲者、聾者、精神薄弱者、肢体不自由者又は、病弱者である旨を通知するとともに、その者の学齢簿の謄本を送付しなければならない。

 

4)盲者等の入学期日の通知、学校の指定、学校教育法施行令第十四条によって、県教育委員会は、同施行令第十一条によって通知を受けた盲者等のその保護者に対し、翌学年の初めから二か月前(十一月三十日)までに入学期日、学校の指定を行うこととなる。

また、県教育委員会は、同施行令第十五条によって当該盲・聾・養護学校の校長及び、市町村の教育委員会に対し当該児童生徒の氏名、入学期日並びに学校指定を通知しなければならないことになる。

以上、県立の盲・聾・養護学校の手続きについて説明してきたが、次の場合は、その手続きが異なるので留意されたい。

つまり、児童生徒のうち盲・聾・養護学校の対象児であって、県の設置する盲・聾・養護学校以外の盲・聾・養護学校(市立、国立、他県等)に就学する場合は、保護者は、就学させようとする学校が他の都道府県の設置するものであるときは、当該都道府県教育委員会の、その他のものであるときは、当該学校における就学を承諾する権限を有する者の就学を承諾する書面を添え、その旨を、その児童生徒等の住所の存する市町村教育委員会を経由して、県の教育委員会へ届け出なければならないこととなる。

全員就学が養護学校の義務制のたてまえであるが、学校教育法第二十三条では、子女に病弱、発育不完全、その他やむを得ない事由があり、就学が困難と認められる場合に限り、保護者の申請に基づいて一般的に課せられた保護者の就学義務を特例的に解除できるようにしている。この制度は、義務制後もそのまま残るが、就学猶予措置が中心となり一定期間後に就学指導審議会等で学習に耐えられるかどうかを再検討し、適正な就学指導に結びつける必要がある。

 

(四) 学校における就学指導体制とその役割

 

学校における心身障害児の適正な就学指導を図るためには、その組織を校務分掌上の組織として明確に位置づけ、校内における心身障害児の実態は握をはじめとして、それに応じた就学指導措置後の評価等、全校をあげて行うことが重要なことである。

 

1)校内就学指導体制について

現在学校に在籍または、入学予定者についてのすべてを対象とする関係から、校内就学指導委員会(仮称)とし、委員を次のようなメンバーで構成することが望ましい。

校長、教頭、教務主任、保健主事、進路指導主事、学年主任、該当児童生徒の担任、特殊学級主任又は担任、養護教諭、校医、その他。

また、会の運営を円滑に進められるように、調査研究部、指導相談部、啓発部等をその下部組織として設置することは、たいへん有意義なことである。

 

2)その役割について

ア、心身に障害や発達の遅れのある児童生徒の調査、観察、診断等を

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。