教育福島0035号(1978年(S53)10月)-035page

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年非常に高まり、一般婦人学級生の中からも、より深くまたは高度のものを求める声が聞かれるようになってきている。

原町公民館では婦人学級生の中からクラブ活動として「ママさんコーラス」が誕生し、毎週猛練習を続け仲間づくりに成果をあげている。また昨年から同学級生を中心に「バレーボールクラブ」「卓球クラブ」が生まれ「健康と仲間づくり」をスローガンに輪をひろげつつあり、本年度は「ギタークラブ」今後は「絵画クラブ」「陶芸クラブ」などの要望も高まりつつある。

先に誕生した「俳句教室」「茶道教室」などは今は完全な自主活動のクラブに発展、公民館は場の提供ですむまでになっている。こうしたクラブ活動の充実は今後の課題となろう。

ボランティア活動への意識の高まりを背景に「婦人市民講座」(ボランティア学級)(表参照)が発足したのはこの五月であったが、予想をこえる応募者があった。毎月の学習のほかに実践活動を展開しており、今後の活躍が大いに期待されている。

 

婦人市民講座生のボランティア学級

 

婦人市民講座生のボランティア学級

 

三、これからの課題と展望

 

社会教育はいろいろな意味で地域社会の向上と自己教育にあるとするならば、「地域に根ざした婦人の教育」を行うのが当然のことであるが、「地域に根ざした教育」の具体策を実行することはなかなかむづかしいことである。しかし、今回の「婦人市民講座」に集まった婦人がたの意識をみるとき「自分たちの手で地域づくりを」という意欲にもえていることがはっきりうかがえ、こうした地域住民の潜在意識をどのようにしてくみとり、組織化するかが課題であると考える。「地域に根ざす」課題の一端がこの辺にあると思う。

次に、これまで行政側では、行政目的を進める上で必要な各種の婦人団体を結成し活動費を交付してきているわけであるが、その反面地域団体が衰微していることも事実である。こうした役所が作った単目的団体は、そのことに関心のある婦人の集まりであるから地域にあまねくいきわたっているわけではないし、地域ぐるみの共感を醸し得るかどうか疑問である。地域に根ざした地域団体への還元策を考えてゆかなければ、地域団体は遠からず枯渇するかも知れない。

一方、地域団体のマンネリ化も指摘されるところであり、社会的要請に敏感に対処できなかった組織機構の不備があったわけで、こうした不備を早く解決すべく取り組む必要があろう。地域に根ざした組織及びその運動の育成という前提に立ち、地域婦人団体の充実、そのための指導者層の養成、組織化こそ課題であると考えられる。

 

表 昭和53年度 原町婦人市民講座学習計画(ボランティア学級)

 

表 昭和53年度 原町婦人市民講座学習計画(ボランティア学級)

 

 

 


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