教育福島0037号(1978年(S53)12月)-027page

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次に高校入試と関連して学区制の問題があるが、これは重要な問題で、今教委側から選択の自由とか特色ある学校とかいわれたが、実際には、選択の自由は競争をはげしくし、学区制では地元に高校があるのに入れない。生徒にもざ折感を持たせ、その学校に誇りを持って入ったのではなく、中学後期の成績によって振り分けられたので仕方なく通学している。そこで子供が伸び伸びと学習できるような学区制を是非考えてほしい。

小林

私は三回ほど韓国を訪れたが、韓国と日本の教育のちがいは、韓国は日本に比し、教育への取り組みがちがう。

 

反面、入学すると勉強しなくなる。そのため、社会に出て使いものにならない。

 

韓国は日本に追いつき追い越せで真剣である。まず人を作りそして国を作ると考える。日本は安心し切っている。韓国には夜のネオンがないが、若者たちは節電は国のためだという。日本では国のためということばにふれたがらない。日本人は何のために教育を受けるのかわかっていない。 一番芯になるものがスポイルされている。今の子供が十年、十五年後に社会にとびこんだとき、その社会がどう変わるのかを考えて教育を受けているだろうか。そこに芯がみられない。学校間の格差にもよるが、日本は、入試がとおりにくい反面、入学すると勉強しなくなる。そのため、社会に出て使いものにならない。

経済の大学をでても簿記がわからず、大学をでても英語が使えない。学校卒業の資格を取得するだけで、教育のしくみがわるいのではないか。また、教育学部の生徒が、先生になるときも、教師としての資質が身についていないのではないか。

塾がはやっているのもその証拠である。教師の人間的なふれ合い、ものの感じ方、教えられたことがらなどを通して、子供はよくなっていくものと思う。そこで、十年、二十年後の社会のことを考え、それに対応できる役に立つ教育をしてほしい。教育の内容のあり方を、入試と卒業の面より考えてほしい。

佐々木

 

装をさせることを望む。全く自分本位で金さえもうければよいとの考えである。

私は、教育にあたってのバックボーンが、日本では、欠けているのではないかと思う。ヨーロッパでは、教育の最終目標を「他人のためになる人間」に育てるという命題がある。日本の父母は、戦後の苦しいときに育ち、その反発として、夢を子供に期待している。そのため、塾へかよわせ、また、学校では、ペーパーテストで尻をたたく。そして社会にでては、立派な会社へ入り、立派な服装をさせることを望む。全く自分本位で金さえもうければよいとの考えである。

知・徳・体のうち、知だけ偏重している。三角関数ができなくても、社会で通用している人がたくさんいる。もっと人間として育てるべきである。マッカーサーがきて修身はだめだということで、日本の教育を変え、道徳教育を設定したが、いわれるまでもなく、子供を作るのは徳育である。物や金に執着した教育よりも人のためになる心をもった人間を育てる必要がある。

阿部

 

ん嬉しい。大学にも幼稚園の教員養成のための学部がぜひ欲しいと思っている。

 

断片的になるかもしれないが、私は、幼稚園教育も年々拡充され、今度は、養護教育が来年より義務化され、たいへん嬉しい。大学にも幼稚園の教員養成のための学部がぜひ欲しいと思っている。

しかし、幼稚園が重視されていても、市町村が担当しているので待遇面が悪い。町の幼稚園でパートの主婦が働いているところもある。県費負担の教員にしてほしい。

次に現在の高校について具体的にいうと、多くの人々は良い高校とは、一流大学への合格数でもって評価している。高校も二年までは楽しいが、三年は入試のためにじごくである。できるなら、入試のための高校でなく、修学旅行も三年になってからすべきである。

また、良い学校には、良い先生だけ入っているように思う。どの高校にも公平に良い先生を入れてほしい。

菅野

私は、準備した項目もあるわけですが、最初に全般的な問題について申し上げます。

全国の高校進学率は、九三・五%という時代なので、幼稚園の義務化も考えたい。六・三・三・四年制を抜本的に見なおす必要があるのでないか。現在の教育は知育にかたよっている。ゆとりある教育というので徳育と、体育にもっと力を入れたい。道徳については、幼稚園の段階から配慮していくとともに、その指導者には、道徳の研修を受けた者であってほしい。

 

、勤労精神も培いたい。現在の家庭には、これが欠けているので特に望みたい。

 

また、思いやりの心と、勤労精神も培いたい。現在の家庭には、これが欠けているので特に望みたい。

 

 

 


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