教育福島0037号(1978年(S53)12月)-029page
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にあって、ようやく女子の地位を獲得した流れを自ら体験してきている。今の三十歳〜四十歳の人たちは、当時だまって自由や平等を受け入れた人が多く、つまり、制度として社会的には認められたものの、個人的には本当の意味での自由や平等の心が育っていない。自分のことばかり中心にみて職場や家庭の中の立場や役割までゆきとどかないでいる。そのために親子心中もおこり、子供の自殺などについてもその指導ができないでいるのではないか。
公民館の活動では、やはり歴史をふまえた婦人の地位というものについて、もう少し話し合っていくという機会がほしい。そして、親子心中など起きないような教育を公民館等でお願いしたい。私は退職して企業に入ったので、働く青少年をみてきたが、働く青少年は、忘れられた、おちこぼれの子供が多く、もっと社会教育でも親切に扱ってほしい。この子たちは、公民館にもいかないし、学級にも青年団の会にもでない。行くところがないので悪の道に入る子が多い。男女の問題もよく判断できず正常でない。青少年の健全育成条例がでても映画館、喫茶店など夜通し営業をしている。ここが悪い芽をつくる温床ともなるので健全な社会的環境つくりにも、もっとみんなで考えていきたい。
佐々木
青少年健全育成条例ができたので今後は社会的にも規制されると思うが、非行に走った子供の共通した点は、どの子供も自分の生活の中に本当に心から打ち込んでするものは何もなかったといっていることである。非行の予防措置もたいせつだが予防だけでなく、良い面に行くように、ひっぱっていく指導もたいせつである。例えば学校教育についていける子は学校は面白いがついていけない子はつまらない。そこで、その子のためにもクラブや音楽、絵、運動などで打ちこめるものが欲しい。例えばいろいろな団体のボランティア活動があるが、私もボランティアクラブの会長をし活動をしているが、公民館のおかあさん学級などでは、小さい子供をもつ人のために、そのおかあさんの子供の子守りをするなど活動している。若い女性のかたがたによる「ともしび会」などのグループもある。ボランティアに入るのは大体まずしい子が多い。今後は良いことをする会にしておちこぼれた子を良い方へひっぱっていく運動をしていく必要がある。先般青少年団体連絡協議会が開かれたが、これは市内の青少年団体の協議会であるが、ここのみなさんは、何か良いことをしたい気持ちで活動しているので、社会なりおとながバックアップし、ひっぱっていくことがたいせつである。
伊藤
非行の問題について話しをしたいと思います。これは学校教育、社会教育、家庭教育に関係があると思いますが、さきに、滋賀県の中学生殺傷事件がありましたが、このことについて福島市内のある中学校の先生が心配になって自分のクラスの生徒に聞いてみたところ、あれだけおいつめられたら、自分も同じようにするだろう、と暴力事件を肯定するような者が五〇%もいたとのことである。今後このような事件は起りうる可能性はじゅうぶん考えられる。また相馬市内で高校生が自殺した事件があったが、これも自殺についての感想をきいたところ、二五%が自殺をこうていしたような形になった。これは青年期の心理として考えたりはするが、その時の悩みや相談は誰に相談するかというのでは、教師とか親というのが少ないのも考えさせられる。またこの前のいわきの少年の事件でわからなかったことは、私たちの子供のときもケン力はよくやったが、このへんまでやればそれ以上はしないという限界を昔の子はわかっていた。つまりガキ大将から教えられていた。ブロックベいから落ちて動かなくなったとしたら、なぜそれをみて介抱しなかったのか、家に帰って母にいわなかったのか、今は目には目をの考えで、「なんじ、右のほほを打たれなば左のほほも」の考えでなくなった。戦後の教育はそういうことを否定してきたわけなのにそこがわからない。やはりガキ大将などの子供社会は復活させる必要があるのではないか、これは、社会教育の子供会の育成のことになろうかと思う。
もう一つは、親の問題として考えると、非行を起こす子は、特殊な家庭と限定された考えであり、中・上流の家庭の子は問題を起こさないのだという考えなんですね。もしそうだとすれば、日本人は八割までが自分が中流と思っているので、問題が起らないはずである。しかし、現に問題が起っているでないか。学校では、昔のように叱ることができなくなったところにも問題はある。県教育委員会では、須賀川の事件のとき、各界の有識者を集めて非行防止について意見を聞き検討したが、そのとき、先生がたに対して医大の先生から「現場ではもっと児童心理を研究する必要があるのではないか」という意見がでたが、こんな会を県教委に常設し、事件について分析し検討することはできないものか。そしてその内容を
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社会教育についての話し合い
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