教育福島0037号(1978年(S53)12月)-031page

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野で事にあたりたい。教育について、三角関数等は、特殊の者が知ればよいのであって教育の真の意味を子供に知らせてほしい。家庭の中には全国共通にテレビが入っている。家庭の夕食どきといえばテレビが中心で、親父はしゃべらない。テレビは公害源でもある。しかし現在は全国的に広まっているので、うまく使うことを考えていくことが必要である。

小山

養護教育について一言申し上げたい。以前は、附属小学校に特殊学級として存在していたが、昨年養護学校となったが、特殊学級の場合は、子供同志の相互連帯感があった。養護学校になってプラスの面もあるが独立の学校として分離すると多くの子供と接する時間がないというマイナスの面も出てくる。そこで意識的に考えていかないと、マイナスの面のみ強くなって、将来孤独のままになってしまい、人間形成上困った問題になるのではないかと思う。子供同志障害をこえて、みんなと接しょくする中で成長するのではないか。

次に幼稚園教育の振興については、来年大学に幼稚園教諭の養成課程が設置されるはずだが、この課程を出ても小学校の先生になってしまう。これには待遇がからんでくるからである。そこで国と県が一体となって、幼稚園教諭の獲得できるしくみをつくることがたいせつである。

また、子供の事故防止については、教育活動の上で指導活動が低下しているといったが、事故が起ったとき、教師自身の責任でなくとも、訴えられたり裁判にもちこまれることがあるときいている。これでは指導者がちゅうちょし、クラブや課外活動等で危険なことは、さけようとする気風がでてくるのではないか。県としてもよりよい対策を講じてやることにより、生徒指導が積極的にすすめていかれるように考えいく必要がある。

菅野

精神薄弱の養護学校は、福島にあるが、肢(し)体不自由児の養護学校は郡山でないとない。親から離れずともよいように、それぞれの地区に設置して欲しい。それにともなって養護教育センター等も設置して、教師の研修も深めたい。また、生徒の進路指導についてであるが、学校は出ても就職難のために採用してもらえない状態である。就職して働ける場所を広めることがたいせつである。

伊藤

養護の義務化もたいへんだと思う。子供の就学先を決めることがたいへんである。判定が大変むずかしい。養護教育センター等を設置して、教育相談等をしてくれることが必要である。また、学校に通学できない子もいる。教師がでかけて訪問する制度もあるがその数も不足している。

次には、社会教育を受けるべき人々の中にノンポリ親父がいる。PTA活動が盛んでも父はほとんど出ない。公民館で活動内容を考えても集まる人が同じである。でてこない人をどうするかを考えていく必要がある。

養護教育室長

養護教育の問題についていろいろ御意見を承りましたが、五十四年よりの義務制を前に、一般の人々の理解がまだまだ少ないのが現状である。普通学校の教師にも、もっと養護教育についての理解を深めていただくよう努力していきたい。

次に肢体不自由養護学校であるが、確かに現状では少ない。福島にも将来は一つ考えねばならないと思っている。養護教育センターも、 一年でもはやくつくりたいと考えている。また、訪問教育対象児は、現在百十人位いるが、実際教育をうけているものは七十二名いる。訪問教師は十八人である。福島はまだいいとして奥会津などは地理的にポツンポツンとはなれており、指導には頭をいためているのが現状である。

社会教育課長

今までの話し合いの中でお出しいただいた御意見については、じゅうぶん検討し考えていきたい。とくに、おおぜいの人に、社会教育の内容を理解してもらうよういっそう努力するとともに、先程の意見の中にありました、企業内教育の問題につきましては、将来、テレビ社会教育講座を実施することにより、それを各企業が利用し、より充実した広い意味での社会教育ができるようにすることも考えていきたい。また、研修内容がいわゆるHow toものにかたよることなく、考え方の本質的なもの原理的なものにわたるように努力しているが、今後もじゅうぶん留意したい。

いずれにしても、社会教育の充実には、立派な指導者を多く得ることが重要ですので、その面に努力して各種団体の健全な育成とその活動の活発化を図りたい。

次に児童.生徒の非行防止についてですが、このことについては、なんといっても家庭教育が基盤であるものと考えます。家庭教育の中で善悪の判別をすること、欲求に対する耐性を養うこと、いかに生きるかなどを教育するのがよりたいせつであると思います。このことを含めて、家庭教育のあり方を社会教育の中でじゅうぶん研修するようにしていきたい。

小畠次長

立派な建設的御意見をたくさんいただき、心から感謝申し上げます。本県の学校教育、社会教育の振興のために、教科指導、教育相談、生徒指導等、いっそうの努力をするとともに、社会教育についても豊かな県土にみのりある生涯教育の実現をめざして努力していきたい。今後ともよろしく御指導をお願いし御礼のことばといたします。

 

 

 


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