教育福島0038号(1979年(S54)01月)-010page

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2) 標準学力テスト

前掲の通りであるが、学級の八七・五%が事後テストで評価段階4に至った。2以下はいない。(資料6)

(個人の各種資料は割愛)

内容を見ると、読むこと、書くことに伸びが認められる。(資料7)

これまでの諸テストからいえることは、仮説に基づく研究が有効らしいということである。

そこで、昭和五十二年度一学期のものと三学期の各テストについて分散の大きさと平均の差について有意差の有無を検定した。事前、事後の各テストは、同程度の内容・水準と考えられるのでF検定及びt検定を用いた。

結果は資料8の通りである。ワークテスト及び学期末語句テストの分散に有効性は認められないが、他には有意差(有意水準五%)が認められる。

(六) 反省及び今後の問題

(1) 研究方法は一群法によったが、これは教育的に配慮したためである。このため仮説の検証を複雑にした。

また、一つの教材における事前・事後テストの有効度という狭小なものでなく、同質、同水準の問題で一年間の変容を見ることに苦心した。

研究の手順、検定方法に問題点も多かったが、学級、個人ともに国語力の基礎となる語句(彙)力、学習能力に一応の成果を得ることができた。

(2) 今後は、短文作りにまで使えるようになった語句を日常の文章表現活動に生かす指導、学力としての読み書きの方法、より確かな検証方法と適正な証価が研究課題である。

 

◇講評◇

 

(1) 国語力として重要な語句(彙)の取り扱いを具体的におさえ、その指導に創意くふうがみられる。また、諸資料から成果の確かめを試みており研究のあり方を示すものである。

(2) 成果が知識にとどまらず、表現・理解の領域に積極的に生かされるよう更に検討を加えたい。

 

資料8

 

特選 実践記録

 

特選 実践記録

わり算でつまずきをつくらないためにその前段階の指導をどうすればよいか

 

二本松市立二本松南小学校教諭 石川不二雄

 

一、研究の趣旨

 

わり算ができないということはよく指摘される。そして、わり算の指導というとすぐ、等分除、包含除とか仮商のたて方等々わり算そのものについて討論されがちである。が、その前段階でのつまずきも現実的には大きな問題であるように思う。

高学年におけるわり算のテスト結果をみると、誤答の原因は、かけ算(部分積)やひき算によるものが多く、わり算については「÷一位数」でのつまずきとみられるものが多かった。

そしてそれは、自分が担任している子供たちの二年後の姿であるようにも思われた。従って、まず「わり算(÷二、三位数)をまちがいなくできるようにする」を目標に定め、それに向けてたし算、ひき算のやりなおしから始めることにした。

また、高学年のつまずきをみると、中学年のときに、なにかちょっとした指導のくふうがあればつまずかせないですんだのではないかと考えられる点もあり、それの一つでもいいから明らかにしてみたいと思った。

 

二、研究の内容

 

(一) 課題

課題1)

たし算、ひき算において既にみられるつまずきを取り除くためにどうする

 

 

 


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