教育福島0038号(1979年(S54)01月)-015page
五、考察
(1) 調整力を高めるためのボール運動の要素の習得結果と泳力との関係でくわしくみると次の資料10のようになる。
(2) 資料9から、ボール運動の技能の3「高さに対する姿勢」4「物を運ぶ姿勢」の両方が欠けた場合と、呼吸・ばた足との関係は資料11のようになる。
○ボール運動をとり入れることによって泳力は高まるといえる。これは、五要素の中で3、4の両方が鍵をにぎっているものと考えられる。つまり、3、4の要素が欠けているためA班の四六%は、ばた足、呼吸の両方ができなかった。
(3) 資料8の三年生の泳力について、ボールをとり入れた二組と、ボールをとり入れなかった他学級と比較してもボール運動は効果があったといえる。(資料12)
(4) 資料9から、指導前の泳力が0メートルで、特に水をこわがったり顔を水につけられなかったり、足首がかたくて曲らなかった児童は、八回の入水にもかかわらず泳力は十メートル以上にはならなかった。
このことは、幼児期等において何らかの障害を受けていることが多く心理的な圧迫感をとり除くための指導がたいせつである。
資料8 第3学年内の比較
昭和53年度校内水泳大会の結果(53.9.12)
※1週2時間の水泳時間
資料9 実践の結果
学年基準(A級50m,B級25m,C級15m,D級10m,E級10m以下)
A班[初心者0m〜5m前後] B班[0m〜5m前後] C班[10m前後]
資料10 調整力を高めるボール運動の5つの要素との結びつき
資料11 ボール運動の技能と呼吸・バタ足との関係 (対象13名中)
要素番号 3 4 3・4 呼吸だけできない ばた足だけできない 1/13 呼吸・ばた足の両方できない 5/13(46%) 両方ともできる 3/13 2/13 2/13
資料12 3年生の泳力 (組別比較)
組 25m以上 10m以下 1 23% 74% 2 46 26 3 31 54 4 22 43
六、結論
1、クロール指導において、特に呼吸法をおぼえさせるには、要素番号1、