教育福島0038号(1979年(S54)01月)-014page
三、実践指導
(一) クロールの段階指導
クロールの動きを分析してみると、資料3のようになり、初期のクロール指導には特に、呼吸・脚・腕の運動のリズム化が必要である。初心者は、これらの運動を無意識的に同時に行ってしまう。
○クロール泳法に必要な段階
(1) はじめに入水の指導を徹底させることが基本である。
(2) 体をうかし、進むことができたなら、ビート板、ポール等を用いて、ばた足を正確にさせること。
(3) ばた足をする際、自分のブレスする肩に目じるしのテープを張り、ブレスするときにはそれを見させるようにする。
(4) 腕・呼吸のタイミングを合わせる。この段階では、ばた足、面かぶり、呼吸法を指導する。
(5) ボールを用いて呼吸法の指導をする。
(二) 児童が意欲的に取り組める指導過程の研究
児童が意欲的に学習に取り組む過程の理論は、「学習指導新論」(高陵社版)を参考にし、クロールの指導過程をボール運動の調整力要素と結びつけて、資料5のような段階に位置づけ、フィードバックできる機能を考えて指導した。
そして、一時間ごとに児童の進歩を確認し、一人一人が積極的に学習に取り組めるようにくふうした。(資料6・7参照)
○ 創造的な指導過程の概要
第一段階 泳法における現在の自分のもつ保有能力について知る。
第二段階 個人と集団の特徴を知る。
第三段階 集団の中で適切な所属集団を発見し、がんばる技術を知る。
第四段階 集団からはなれ、自己のペースで泳ぐ能力を身につける。
資料4 クロールの動きの分析
ボールを使ってのバタ足
資料5 指導過程への位置づけ
資料6 指導の流れ
資料7 指導段階と調整力要素との関係
四、実践の結果
次ページ資料8・9参照