教育福島0039号(1979年(S54)02月)-010page
基礎を養うことを目標としている。
この目標を達成するためには、指導内容の重点の置き方をくふうした指導計画の改善に努めるとともに、基礎的知識を身につけ、能力を高めるための学習指導を充実することがたいせつである。
本年度は、新学習指導要領への移行最終年度であり、前年度の指導の反省に基づき、新学習指導要領の趣旨に沿った移行措置が遺漏なく行われるよういっそう努力する必要がある。
一、児童の学習活動がじゅうぶん行われるよう指導計画を改善する。
新学習指導要領の目標、内容についての理解をいっそう深め、学年の目標や内容を的確には握するとともに、地域や児童の実態及び前年度の指導の反省をふまえ、移行措置における省略、軽減により生じた時間の活用と指導の重点化を図って児童の学習活動がじゅうぶん行われるように指導計画を改善する。
(1) 低学年においては、知識を中心にした学習に偏らないようにし、身近な社会的事象を具体的に観察し効果的に表現する活動がじゅうぶん行われるようにする。
(2) 中学年においては、当該市町村及び福島県を学習対象とする指導計画を改善充実するとともに、地域社会における社会的事象を具体的に観察、調査したり具体的資料で調べ、問題を解決する活動が多く行われるようにする。
(3) 高学年においては、各種の産業や歴史的な事項を網ら的に取り上げることを改めるとともに、基礎的資料を活用し、観察、調査したりして問題を解決する活動が多く行われるようにする。
二、社会的事象のもつ意味を的確には握するための教材研究を深め、授業の充実に努める。
(一) 各学年の目標、単元の目標及び教材の系統性を明確には握して教材を精選するとともに、目標に適合する学習が行われるようにする。
(二) 教材のしくみを正しくとらえ、目標と結びつけて指導の重点化が図られるようにする。特に新教材の研究を深める。
(三) 低学年においては、観察や表現活動のねらいを的確におさえ、方法をくふうしてそれらの活動を効果的にじゅうぶんさせることによって、社会的事象のもつ意味がは握されるようにするとともに、合科的指導についての研究を深める。
(四) 中学年においては、地域における社会的事象を取り上げる観点を明確にし、地域学習の資料の収集、作成に努めるとともに、地域の社会的事象を中心にしながら他地域との比較考察も取り入れ、観察や各種の資料を効果的に活用することによって、地理的、歴史的な見方、考え方の基礎がいっそう身につくようにする。
(五) 高学年においては、中学校との関連にじゅうぶん留意し、基礎的・基本的事項を明確におさえ、指導の重点化が図られるようにする。
三、児童の問題解決能力を伸ばし基礎的能力を高める指導をいっそう充実する。
(一) 教材の特質や児童の学習方法についての習熟状況などから、効果的に学習活動が行われるよう指導過程及び指導方法をくふうする。
(二) 児童が強い問題意識に支えられて意欲的に学習に取り組み、多様な学習活動を通して、学習の楽しさや喜びを見いだすことができるような指導方法をくふうする。
(三) 問題解決のための手順・方法を児童の発達段階に応じて指導し、児童みずからが見通しをもって自主的・自発的に学習を進めることができるようにする。
(四) 教えること、考えさせることを明確にして指導過程を構成し、考える手だてや時間を配慮して効率的に学習を進めることができるようにする。
(五) 教科書や地図帳、各種の資料を指導過程に適切に位置付け、問題解決学習を意図的に展開することにより必要に応じて資料を活用できる能力を育成する。
(六) 各学年の基礎的能力の系統性を明確には握し、意図的継続的な指導を通して能力の育成を図る。
四、学習の評価を適切に行い、基礎的知識、技能の定着を図る。
(一) 基礎的知識、技能については、練習の時間を指導計画に位置づけて定着を図る。
(二) 具体的な目標を設定し、指導過程で適切な評価を行うとともに、フィードバックの機能を生かして学習をより確かなものにする。
(三) 授業終末時や単元末には、まとめを適切に行い、知識・理解とともに能力も評価するように努める。
中学校
本年度は、新学習指導要領の移行第二年目であり、新学習指導要領の理解を深めることにいっそう努力したい。
そして、新学習指導要領の趣旨に沿い、小学校及び三分野間の関連に特に留意し、前年度の指導の反省に基づき移行の指導計画を改善して移行措置の円滑な実施を図りたい。このため、次の事項について、さらに努力する必要