教育福島0039号(1979年(S54)02月)-011page
がある。
一、三分野間の関連をおさえた指導計画の改善に努める。
(一) 新学習指導要領の目標、内容についての理解をさらに深め、その趣旨に沿った移行期の指導計画を改善する。
(二) 各分野の目標、内容を的確には握し、地域や生徒の実態及び前年度の指導の反省に基づき、省略、軽減により生じた時間の活用を考慮して指導の重点の置き方をくふうした指導計画を改善する。
(三) 小学校及び他分野との関連や現行教科書(二年用)をじゅうぶん考慮して、新学習指導要領の観点から世界地理を第一学年のはじめに学習する指導計画に改善する。
(四) 小学校との関連をじゅうぶん考慮した内容構成とするとともに、二分野の有機的関連を図った指導計画に改善する。特に本年度の入学生は五十五年度末までに歴史的分野の学習を終えるように指導計画を改善する。
二、各分野における教材研究を深め、授業の充実に努める。
(一) 各分野における基本的事項や、育成しなければならない思考力、資料活用能力を系統的には握する。
(二) 新学習指導要領と教科書教材の関連及び教材のしくみを明確にし、生徒の実態を考慮して、指導の重点化を図る。
(三) 各分野の目標、内容に照らして、地域の社会的事象の教材化に努め、地域の資料を活用したり、調査する学習活動が多く行われるようにする。
三、生徒の自主的な学習を重視し、問題解決の学習が効果的に行われるようにする。
(一) 講義中心に偏る授業を改め、生徒の活動を多くして、生徒みずからが意欲的に問題を解決していくようにする。
(二) 生徒が問題意識を持ち、見通しの上に立った学習を進めることができるように、問題解決の手順、方法、資料活用のしかたなどを学習の段階や具体教材に即して身につくように指導する。
(三) 生徒の自主的、自発的な学習態度を育成するため、学習形態をくふうし、観察、調査、作業等の学習及び教育機器を積極的に導入する。
四、学習の評価を適切に行い、基礎的な知識・理解及び能力の向上を図る。
(一) 目標に即した評価の観点を明確にし、評価の方法を明示して学習の評価を確実に行う。
(二) 指導過程での評価や単元のまとめをくふうするとともに、フィードバックの機能をじゅうぶんに生かし、重要事項については、練習の時間を設けるなどして、指導の徹底を図る。
(三) 知識・理解とともに、資料活用能力、思考力及び学習態度等も評価の方法をくふうして実施する。
高等学校
人間尊重の立場を基本として、社会における人間のあり方の思索を深め、社会と人間に関する基本的問題についての理解をはかる。広い視野から社会生活の意義を考える能力や、国家・社会の一員としての自覚をもち、その発展に寄与する態度などの基礎を養う。このため、次の事項についてさらに努力することが望まれる。
一、指導計画の改善に努める。
(一) 社会科の目標と各科目の目標や内容を的確には握し、科目間の関連を図るとともに、地域や学校の実態、生徒の能力・適性・進路等を考慮しながら、弾力性のある指導計画の作成に努める。
(二) 中学校との学習内容の関連にじゅうぶん留意し、社会生活の諸問題に対して正しく対処する能力・態度・習慣の育成等が中・高一貫してなされるような指導計画の作成に努める。
(三) 生徒の学習到達の実態をふまえて指導計画を常に点検し、その再構成を含めて、計画と実施の一体化を図るように努める。
二、指導内容の精選・構造化を図る。
(一) 教材そのものの深い研究に努めるとともに、多様化した生徒の実態をふまえ、基礎的・基本的な内容を精選し、それらの相互関連に留意しながら、生徒の理解が容易になるように教材の構造化を図る。
(二) 生徒の思考過程を重視した学習をより有効にするために、教科書等に掲載されている写真、図版、統計等の活用についてくふうし、更に生徒の学習に有効な資料を豊かに用意するように配慮する。
三、学習指導法の研究と授業の充実に努める。
(一) 能力・適性・進路等ますます多様化した生徒に対し、個別的な指導を重視しながら、生徒を積極的に学習に参加させる指導方法をくふうし、その実践に努める。
その際、生徒の興味や疑問をほりおこし、それを学習過程の中に位置